天才捕手の恋人【御幸一也】 (ページ23)

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物足りない〈157〉ページ23

御幸side

A「……でも、体重増えた？って訊きましたよね？」

Aは頬を膨らませて言う

御「それは以前よりってことで……。
前はかなり軽かったからな心配してたんだよ。まぁ、今も軽いけど、心配するほどじゃなくて安心した。ちゃんと食ってんだな」

そう言ってAの前髪をかきわけ額に口づけると

Aは少し恥ずかしそうに俺から目をそらした

A「ここにいた頃より、練習量は減りましたからね。今の練習では少し物足りない気もしてます」

御「物足りないのは、練習だけじゃねーだろ？」

俺の言葉に「え？」と首を傾げるA

御「俺は離れてる間、ずっとAに触れたくてキスしたくて堪んなかったんだけど…

お前は違うのかよ？」

コツンっとAの額に自分の額をくっつけて問い詰める

じっと見つめていると、真っ赤に顔を染めたAの瞳がしだいにうるうるしてきた

さっきからちょっといじりすぎたかな？

いちいち反応が可愛くて、こんなの久しぶりで、つい加減を忘れてしまう

こんなんじゃいつか嫌われちゃうかもな

そう思い、謝ろうと口を開けようとすると

A「……も………………ったです」

Aが何か言った

こんなに近い距離だというのに

ごにょごにょと小声で言ったAの言葉を聞き取れなくて

御「なに？」

頭を撫でて聞き返すとAは俺を見つめて

A「私も……一也くんに触れてほしかった……キス、したかったです……///」

と言って顔を隠すように俺の肩辺りに顔を埋めた

その仕草に理性が飛びそうになる

毎度予想以上のことしてくれるな、コイツは…

俺は平然さを取り繕うように一息ついてから

御「……じゃ、お望み通り、いっぱいキスしてやるよ」

Aの耳元で囁きそっとベッドに押し倒して

その上に覆いかぶさる

そして涙目で俺を見上げるAの瞼に優しくキスをする

久しぶりで緊張しているのか、Aの体は少しだけ強張っていた

俺は安心させるように左右の頬にもキスを落とし

Aの小さくて柔らかい唇に触れるだけのキスをする

……メガネ邪魔だな

掛けていたメガネを外し、再びAに目を向けるとAはクスッと笑い俺の頬に触れた

A「メガネなかったら誰かわかりませんね」

御「今の状況で言うことかよ…」

A「……外では外さないでくださいね。メガネもサングラスも…」

御「なんで？」

A「今よりモテちゃうからですよ」