天才捕手の恋人【御幸一也】 (ページ22)

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翻弄されて〈156〉ページ22

Aside

しぶしぶパーカーを脱ぐ一也くん

初めて見る一也くんの鍛えられた身体につい見惚れてしまい一瞬目的を忘れそうになるが

振り切るように首を振る

パーカーを脱いだ一也くんの周りをぐるりと回る

すると、右の肋骨辺りが腫れていた

やっぱり……怪我してる

腫れた箇所にそっと触れると熱を帯びていた

本当は明日にでも病院に行ってほしい

そう言おうとすると

一也くんに、主将である自分の怪我のせいでチームの士気を下げたくない

とはっきり言われてしまい、何も言えなくなる

俯き、黙っていると不意に一也くんが振り向き
彼の腕の中に閉じ込められる

脱いだままの一也くんの肌に直接私の頬が触れて

一気に顔に熱が上る

A「あ、あのっ……一也、くん！？///
誰にも言いませんから……その……
ふ、服、着てからにしてください！！」

慌てて離れようとしてもさらにギュッと強く抱きしめられ逃げられない

御「えー。脱げっていったのAじゃん！
あ、どーせならAも脱ぐ？」

A「何言ってるんですか！！」

私が睨んでも、一也くんは表情を変えることなく

御「うそうそ。冗談だよ！Aにまで脱がれたら、俺の理性が即吹っ飛んじゃうからww」

そう言ってケタケタと笑った

そんな一也くんから視線を落とす

A「……か、風邪引いちゃいますよ？明日は決勝なんですから、怪我だけでなく風邪まで引かれたらっ………んっ……！！」

言葉の途中でいきなり顎を持ち上げられ

一也くんの唇によって口を塞がれた

人の話をちゃんと聞けと

暴れる私に一也くんは眉間にシワを寄せ唇を離す

そして軽く息を吐くと私から離れて

脱いで床に放置したパーカーを着る

御「……これでいいか？」

A「はい…」

私が頷くと一也くんはベッドに腰掛けて両手を広げた

A「……？？」

首を捻る私に一也くんは

御「おいで？A…」

と、少し掠れたいつもより色気のある声で私を呼び微笑んでじっと見つめてくる

その声と目に吸い寄せられるように一也くんの前まで行くと私の腕を引いて

一也くんは私を横抱きに自分の膝に座らせた

御「あれ？」

A「なっ……何ですか？」

御「体重、増えた？」

A「…………。降ります！！///」

一也くんの膝から降りようとするとぐっと腰に手を回され阻止される

A「降ろしてください！！重いんでしょ！？」

御「暴れんなよ。重いなんて言ってねーだろ！」