天才捕手の恋人【御幸一也】 (ページ17)

今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:356,306 hit

エースの一打〈151〉ページ17

Aside

８回表、ランナーは一、二塁

そこで回ってきたのはこの試合３安打の轟くん

緊迫する中、市大はエース天久さんに轟くんとの勝負を仕掛ける

この時、初めて轟くんの空振り三振を見た

轟くんを見事に抑えた天久さんに球場は驚愕し
歓声が上がる

隣では結城先輩が凄い気迫なオーラを纏っていた

轟くんの次に回ってきたのは真田さん

２球連続のスライダーに空振りする

門「轟を抑えたことで勢い付いてるな…」

真田さんに２打席ストレートを打たれている天久さん…

ピッチングを見た感じ、かなりプライドが高く見える

キャッチャーのサインに首を振った

A「多分……次、ストレート来ますね」

真/丹「！！」

私の予想は当たっていたようで

アウトローのストレートを投げ込んだ

すると、真田さんは迷いなく

まるでそのストレートを待っていたかのように
バットで弾き返した

真田さんの打球は右中間を抜け

一塁ランナーの三島くんも三塁を蹴ってホームイン

真田さんの２点タイムリーで薬師は逆転した

その後、打たれた天久さんはマウンドを降りてしまい

市大 vs 薬師の試合は２ー３で終わってしまった

試合が終わり、結城先輩たちと少しだけ話して別れ

球場から出ると丁度荷物を持った薬師の人たちも外に出ていた

真「あ！Aちゃん！！」

こっちに気付いた真田さんが駆け寄ってくる

他の人たちは唖然としていた

A「あ、えっと……決勝進出おめでとうございます…」

明日、青道と戦う学校に対して「おめでとう」というのは少し気が引けたけど

他に言えることがなかった

真「サンキュ！Aちゃんがすげぇ俺のこと見てくれてたお陰だなww」

真田さんのこと見てたって…

A「えっ……もしかして、見えてたんですか！？」

真「あぁ。だって目、合っただろ？」

あの時目が合ったのは気のせいなんかじゃなかったんだ……！！

A「よくわかりましたね、あんなに観客が多かったのに…」

真「好きなやつのことなら、どこに居たってすぐ見つけられるよ」

真田さんは得意気に笑った

A「…あの、私は一也くんが好きなので真田さんの気持ちには応えられ……っ！？」

断っている途中で、真田さんの人差し指が私の唇に触れた

真「わかってるから。Aちゃんが御幸を好きなことくらい……。けど、Aちゃんを想うのは、俺の勝手だろ？

まぁ、Aちゃんからしたら迷惑かもしんねぇけど」