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市大 vs 薬師〈150〉 ページ16

Aside



A「くれぐれも内密にお願いします…」

大「あぁ。青道の不利になるようなことは言わねぇよ。それに、俺ら引退したしな」


大前さんはそう言って苦笑した


真「お前らウチの試合観ていかねぇのかよ?」

丹「え?」


真「高校時代、唯一俺が敵わないと思った後輩。そいつが今から投げるぜ」



真中さんが敵わないと思った……!!


そう言われて気にならないわけがなく


結城先輩たちが観ていくと言うので
私も観ることにした


真中さんの言っていた通り
彼のピッチングは凄かった


キャッチャーでも止められないキレが良すぎるスライダーに

三島くん相手に全球ストレートで三振を取った


A「……こんな投手が居るのに、どうして夏の予選で出なかったんですか?」


訊いていいのか迷ったけど気になるから訊いてみると

真中さんは少し顔を曇らせた


真「あの時は部から離れてたんだよ、アイツ…」


A「そーだったんですか……」


これ以上は訊かないことにした


真中さんの表情から読み取れたことは

天久さんは怪我での戦線離脱というわけではないこと

多分、彼の気持ちの問題だったんだろう


私は野球から離れたい、辞めたいなんて思ったことないから気持ちはよくわからないけど…



4番轟くんにホームランを打たれるも
後打者3人をきっちり抑えた天久さん


そのピッチングに答えるように
市大の攻撃が薬師先発の秋葉くんに襲いかかり

ピッチャーはキャッチャーをしていた三島くんに代わり打線を抑えた


1ー2、3回裏で早くも薬師のエース真田さんが出てきた


そして投手戦が続く


6回裏、再び市大打線が薬師に襲いかかる

1アウト、ランナー一、二塁

バッターは4番…


ここで真田さんはどんな投球をするのか…

私は少し前のめりになってしまう


結「天宮、落ちるなよ」

A「あ、はい」



インコースをバットに当ててくる市大の4番

追い込んだところでアウトコースに配球


バッターはその球を待っていたかのようにスイングした

だけど、引っ掛けてしまい打球はピッチャーへ


ゲッツーを取られ、スリーアウト



……今の球、手元で落ちた?


A「ツーシーム…」

結「だな。沈む変化球も覚えきたか…」


マウンドからベンチに戻る際、

真田さんはこちらを向き顔を上げてから

ニッと笑った


!!??


……一瞬目が合った気がしたのは気のせい、だよね



それから試合は市大が1点リードで終盤戦へ

エースの一打〈151〉→←バカップル〈149〉



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:あんず | 作成日時:2014年6月19日 16時

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