好敵＝成長〈145〉 ページ11
Aside
試合整列の前に、青道選手がベンチ前で円陣を組んだ
結城先輩もよかったけど一也くんもカッコいい
と、思わず見惚れてしまったのは本人には秘密。
そして成孔 vs 青道の準決勝が始まった
先制点は青道がとり、４回まで先発の降谷くんは相手を無失点に抑える
でも、相手も降谷くんの球をバットに当てて弾き返している
いつ打線が爆発するかわからない
５、６回から１点ずつをとられる降谷くん
それでも粘り強いピッチングを見せ
７回表、２アウトランナー二塁
降谷くんは１番バッターの強烈な打球を止める
この回もまた１点に抑えた
降谷くん、見ない間にエースらしくなってる…
８回になり、青道の投手は降谷くんから沢村くんに代わった
アウトコースに投げれるようになりイップスを克服して、さらに成長したと聞いた沢村くん
今回初めて見るからスゴくワクワクしていた
しかし、４番に同点２ランホームランを打たれてしまった
その瞬間、薬師戦のことが頭を過る
大丈夫かな…
と心配になったけど沢村くんは落ち着いていて
冷静にランナーを見てアウトにした
私が知っていた降谷くんと沢村くんの野球は
さらに凄みを増している
二人が良いライバルだからこそ
短期間でここまで成長できたんだろうと思うと
自分がスタンドで見ている立場というのが
悔しいというか
私もあの中に入りたかったと正直思う
ライバルという存在は私にはいなかった
リトルでもシニアでも
仲間が “ 好敵 ” というより
ほとんど “ 敵 ” にしか見えなかった
所詮女だ…って思われないように、ナメられないようにいつも必死だっただけ。
それが今の自分の野球センスに繋がっているから不満はないけど
好敵がいたら、もっと自分も成長出来たんじゃないかって……
なんて、今考えることじゃないか…
私は頭を切り換えるように首を横に振る
結「どうかしたか？」
A「いえ、何でもないです！」
試合にまた視線と思考を向ける
相手投手も好調のようで
青道は無得点のまま９回表に相手の攻撃
相手投手は投球だけでなく、打撃も調子がいいようで、打者としても出塁した
沢村くんも粘りのピッチングやダイビングキャッチをしたりと頑張りを見せている
ランナー二塁で回ったきたのは１番バッター
あの１番さん、キャッチャーだからか球をよく見ている
投手なら嫌なタイプだ
沢村くんの球はレフトへ打たれてしまった
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作者名：あんず
| 作成日時：2014年6月19日 16時
