先生とぼく (ページ18)

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「あ、薮ちゃん！今日学校だったの？日曜なのに…」

「うん！補講だったんだ～」

ほんの少し前、常にぼーっとしてどこを見てるのか、何を考えているのか分からなかった薮が、しばらく経ってだんだんと明るくなって笑顔が増えてきた。

今も、ちょっと前まで聞かれるのを嫌がってた学校のことに触れられても、嬉しそうに話している。

「うげーっ、補講かよっ！もしかして期末の成績悪かったの？珍しいね～もしかしてインテリキャラ卒業？」

「大ちゃんと一緒にしないでくれない？
俺は出席日数足りないから補講してもらってるの。テストは今回も10位以内だったもん」

大ちゃんに向けて悪戯っ子のようにべーっと舌を出す薮は可愛くて、そんな顔するんだ…なんて。

なんで、何がきっかけで？

なんで急にそんな変わった？
触れてなかったけど、学校に行くのあんなに嫌そうだったのに…。

モヤモヤする。
もしかして、好きな奴でもできたのかって。
お前、アイドルだぞ？
恋愛なんて…スキャンダルなんて命取りだぞ。
だって今、こんなに売れ始めてるのに。

「ひかる？元気ない？もしかして体調悪い？」

いつの間にか俺の前に来て、
俺の額に手を当てて体温を測る薮。

熱じゃないか～とふわふわした口調で言うと、無理しないでね？と微笑んだ。

胸が、きゅんと締め付けられた。