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浪士たちは沈黙した。
子供ではないのだ。
訓辞を受け、金を貰い、昼酒を飲ませてもらったところで、得体の知れぬ隣の仲間共と手を取り肩を叩けというのは無理な話だ。
自然、語らい合って入隊した旧知の者同士が、其処此処に固まって、仲間話をする形になった。
浪士団の派閥は、この時から既に存在していたとも云える。
近藤たちは、座敷の東の隅へ行った。
その薄暗い片隅で折詰をつつき始めたが、彼らの殆どは酒を飲まなかった。
それに、首領の近藤が無口な方だったために話は弾まず、その上彼らは江戸市中では殆ど無名に近かったから、他の仲間から声をかけてくる者もいなかった。
この僅か八人の無口な集団が、後に新選組にまで成長していくとは、―― 一座のたれも想像出来なかったであろう。
――しかし、陽気な一団もあった。
縁側に酒肴を持ち出し、傍若無人に笑いさざめいている五、六人の集団がいた。
首領は大きな眼の肥大漢だった。
切り裂くような甲高い笑い声を上げ、しかも笑いながら周囲を恫喝しているような響きがあり、そのくせ当人の眼は笑っていない。
眼だけが別の生き物のようにじろりと周りを意識し、しきりと杯を重ねるその姿は、一種異常とも云えた。
「何者だ、あれは」
土方は、横にいる沖田総司に尋ねた。
沖田は天然理心流の免許皆伝者で、腕は近藤や土方よりも立つが、年が若く、しかも不思議な若者で、どんな時も明るい童子のような相貌をしている。
その歳、僅か十九。
この時もにこにこしながら「何者でしょうね」と云い、きっと水戸者だと思うと述べた。
酷い訛りだ、唾が此処まで飛んできそうな気がする、――。
土方は暫く黙し、考え、それから横の近藤に同じことを尋ねた。
近藤は三十、土方よりも一つばかり上である。
近藤も同じことを考えていたらしい。
しかし、「水戸」で思い当たる節があったらしく、こう答えた。
「恐らく、
「あれが」
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Chris(プロフ) - ファーストMeさん» わーいありがとうございます! こっちの作品も神様ネタありますから、待ってて下さい! (。>ω<。)ノ (2017年6月15日 13時) (レス) id: c0c9efb09c (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - “刀と共に生きてきました”から来ました!この作品も凄く良かったです!!更新待ってます!! (2017年6月15日 13時) (レス) id: d48a818a0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Chris | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chrisinfo/
作成日時:2017年5月23日 0時