教官殿 ページ33
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瞬時に間合いを詰めることが大事。
相手が自分より高ければ下から。
視界から消えて油断した隙に急所を突く
｢っぐ、｣
｢伺った通り、基本はなってます。ただ応用がイマイチ…65点といったところでしょうか？｣
手が相手に届くすんでのところで捕まえられた。
こいつ早すぎる。手を引こうにも無理にすれば骨が逝く
そのまま足払いをしようとするも簡単に避けられてしまった。
｢んな！｣
｢視線が分かりやすい。今から足元へ攻撃しますよと言ってるようなものです。｣
｢なんなんだよお前！｣
｢ふふ、そちらが素でございますか？｣
｢チッ｣
捕まったままの右手が締めあげられる
手加減されているのがわかるから余計に悔しい。
つい昔のように言葉が荒ぶってしまった。
｢弓弦！！！！なにしてるんです！？｣
｢おや、茨。久しいですね。生きてましたか｣
なにやら騒がしい、と駆けつけた茨が声を荒らげて弓弦の手を私から離した。
手加減されていなければ折れていただろう、
離された手を見れば赤くなっていた。
｢うちの職員に手を上げるなど、どうなるかお分かりで？｣
｢こちらは正当防衛しただけでございます。｣
｢茨、ほんとに知り合いなんですか…？｣
｢…はい。昔の｣
｢軍事施設にいた頃の茨の上司にあたります。伏見弓弦と申します。以後お見知りおきを｣
茨も軍事施設にいた事は既に知っていたが、同い年くらいなのに上司…？
｢チッ…弓弦は教官をされていたのでかなり腕はいいです。｣
｢茨がそんなことを仰るなんて、明日は雷雨でしょうかね…｣
｢是非雷に打たれて死んでください、弓弦。｣
｢教官殿…！？し、失礼いたしました！｣
｢ふふ、宜しければ指導いたしましょうか？｣
｢結構！！帰ってください！｣
私と弓弦様の間に茨が立ち話を遮った。
まるでその顔は般若だ。
それなのに弓弦様は表情ひとつ変えずにニコニコとした。
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作者名：はなちゃ | 作成日時：2022年9月21日 22時
