華のない隊士【日番谷冬獅郎】 (ページ26)

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25.華がない私の久しぶりの任務7 ページ26

『そん、な･･･。

どうして、ずっと。好きだったのに』

悲しそうに泣き崩れる私

まるで夢を見ているように、自由に動かせない身体

ただの演劇の様に自分の声が、身体だけが演じているものを意識の内側で見ている

そんな気分だった

こんなニセモノに悲しむ価値などありはしない

人の恋心を弄ぶやからに悲しむ私なんていない。

全部ウソばっかり

ああ、気持ち悪い

嫌悪が募って喉の奥が詰まる

吐き気がする

もう限界だ。

もうこれ以上

こんな不愉快なもの見たくない

もうこれ以上

こんなヤツを見たくない

もうこれ以上

日番谷隊長を汚させない!!

私の腰の浅打が白く眩い光を放ち始めた

やがてその光が私の身体を包む

すると、視線の先に地面が見える

何が起こったの･･･？

腰の浅打を見るが変化がない

キョロキョロを辺りを見る。

何も変わらず、前には隊長と雛森さん

甘い何かを吸ったせいで立ち上がれないだろうけど、この原因を探さなきゃ

試しに、力を籠め。立ち上がってみる

『え、動ける。･･･なんで！？』

そういえば頭痛もない

何はともあれ良かった

腰にある浅打を抜き、構える

恐らく、あの甘い匂いで気絶した時点で虚の能力にかかっていたんだろう

『よくもこんなくだらないクソ芝居むざむざと見せたもんね！』

キッと隊長と雛森さんモドキを睨みつける

するとぐにゃりと２人の輪郭が歪む

「ほぉ、よくぞ見破ったなぁ。死神」

輪郭が歪み切り、その顔の下からカメレオンの様なギョロリとした目玉の虚が現れた

『ホント何から何まで悪趣味な虚』