華のない隊士【日番谷冬獅郎】 (ページ2)

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2.華がない私の話ページ2

私が隊長の事を気にし始めたのは、もう随分と昔の事だった。

それは、五番隊に入隊するよりも

もう少し前だったと記憶している。

当時、真央霊術院に通っていた私は、授業授業の慌ただしい日々から抜け出すように

久しぶりの休暇で流魂街へ帰ってきていた

くすんだような目をして生きる人々

そしてそんな人々を守るかのように立つ大きな大木

寂れた、決して大きくはない小さな街。

そんなイメージだった私の故郷は全くと言っていいほど変わっていた

茶色く、くすんだような長屋が立っていたところには、綺麗で色鮮やかな反物屋が

さび付いて、人が寄り付かなくなった市場には新鮮な食材が並び活気づいていた

あまりの変わりように呆然としていると

私に気づいたのか知り合いのおばちゃんが話しかけてきた

懐かしくなった私はすっかり話し込んでしまっていた。

『ふふ、相変わらずだね。おばちゃんは』

「そうかい？この町もすっかり活気づいて･･･

これもAちゃんがあの真央霊術院に入ってくれたおかげだよ」

『そう？霊術院生なんて他にもいるんじゃないの？』

「そんなことないよ！この町からは初めてのことさ

ホントに･･･Aちゃんはこの町の希望だよ！

霊術院で頑張って、死神になったらまたここに顔出しにおいで」

そう言って柔らかな笑みを浮かべるおばちゃん

なんか、安心するなぁ･･･

そう思いながら。私は家へと歩く

『ただいま。』

引き戸を開けると母さんと父さんが出迎えてくれた。

なんだか、温かいなんて思いながら

居間へと移動して、霊術院であったことを話した