LOVE ME LOVE ME

16：Maybe the perfect potato ページ47

・


信じるよ。

どんな言葉だって信じる。


Aヌナの言葉なら、なんだっていいんだ。

どんなに可愛くなくたって、ずっと待ってたから。




部下の切実な願いを裏切った代表は

なんとも粋で、最高にお節介な策略を企ててた。


さすがは設計士。計画を組み立てるのも上手い。

ヘギョさんは医者だし、元々頭の出来が違う。



ヌナには絶対に知ってほしくなかったけど

傷付かずに済むように、俺も言えなかったんだけど




ここで聞いてろって、ニコニコ笑いながら

スパイの真似事でもするように
俺と車の陰に隠れたジュンギさんって


やっぱかっこいいよ。

上司としても、建築家としても、男としても。



だってさ、と俺に教えてくれたのは

諜報員さながらの代表夫婦いわく


『今のがAちゃんの答え。』で

『あれがお前への正直な気持ち。』だった。





｢ねーねーAヌナ。フニのこと好きなの？｣

｢ジヌちゃん
さっきも言ったけどちょっと黙ってて。｣



だから早く言ってくんないかな、なんて。

気になって気になって仕方がないのは
俺もジヌひょんと一緒。


だけど車内には、邪魔者がうじゃうじゃ居る。



｢いいじゃないっすか。
ここで決めちゃって下さいよAさん。｣

｢そーよA。フニくんはいつまでもAを好きでいてくれるわけじゃないのよ。｣



アヤちゃん、それは違うよ。

残念ながら俺は
高校生の頃から結局ヌナしか見えてないんだ。


けど、この状況でAヌナからそれを引き出すのは、無理というより、まず不可能。

ユンが居たらもっと面倒なことになってたはず。





それでもやっぱり待ち遠しくて

泣くほどの気持ちを、早くヌナから聞きたくて



ついいつもの癖が出て

真っ赤に沸騰した彼女に黙れと怒鳴られても


ジャガイモ小僧と呼ばれようが

そんなのは日常茶飯事だから






｢あーー。やっとふたりになれた。｣

｢....だから何？｣



Aヌナが運転する車が

やっと同乗者たち全員を送り届けると



｢どうするAヌナ。どっちがいい？｣

｢だから何が！？｣



ぜんっぜん可愛くないこの人の

俺が心配で、俺を失いたくなくて
あんなに泣くほど俺を好きだってその気持ちを



｢希望としてはAヌナから言って欲しいんだけど、いつも通り俺から言おうか？｣

｢なんであんたは、いつもそうやって... ｣




ぜんぜん可愛くないけど

めちゃくちゃ可愛いAヌナから


さて。どうやって聞き出そうか。

▼→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す