＿＿A fun tease and a tea party for a time

028 ページ28

ふざけるのもいい加減にしろ、と抗議しようとした結果、



「いいの？
普段滅多にできない女の姿でハルヒと戯れることができるのに。」


と悪魔のような一言をもらってしまい、結局Aもまたみずからの欲望に忠実に動いたのだった。


「ねえ、ハルヒ、やっぱり着替えない？」



女性の姿で甘えてみるA。
え、と意外にも意識しているかのような態度のハルヒは、えーーっとと目が泳ぐ。


「ど、どうして、いきなり。」
「だって、ハルヒと水着写真撮ったことないなと思って、、」


寂しそうに告げるAに、ハルヒはうぐっと声を詰まらせた。

ハルヒは恨めしい思いでAを見下ろす。
やいのやいの言われていても、Aは美人だ、間違いない。
しかもホスト部に来ている女の子たちのどの子よりもよっぽど。


可愛い女の子にはどうしても押し負けやすいハルヒ。


「い、いいよ。
Aの為ね。」

と言って念押ししたハルヒに、ありがとうといって素直に微笑むA。
陰で光と馨がおっしゃっとガッツポーズしたのを、ハルヒは見なかったことにした。






「ねえ、これやっぱり恥ずかしくない？」
「そんなことないとっても綺麗だよ。
さっき選んでた五歳児が着るようなピンクの水着に比べたら。」
「え？！そんなの選んでた？って言うか、それ、光と馨のお母様に失礼じゃない？！」


突っ込み過多ですでに疲れている様子のハルヒに、そんなことないぞ、と双子が突っ込む。


「母が1着だけ間違えて入れたやつがあって、」
「5歳児向けに作った、とっても可愛らしいデザインがあるけど、」
「どれか分かんないでいたら、」
「見事にハルヒが選ぶんだもん。」
「「さっすがハルヒ〜」」

ニヤニヤしながら交互に口を挟む双子。
怒りでフルフル震えながら、A〜〜と抱きつく。

「よしよし分かったから。」

ぽんぽんと頭を撫でるA。
心なしかここのどの連中よりもかっこよく見えるし、抱き寄せられたときネイビーのパレオがふわりと腰にあたる。

「わ、私もそれつける。」
「え？パレオ？」
「う、うん。」
「フレアビキニだけで十分だと思うけど。」
「え、でも、足が落ち着かない。」
「わかったわかったわ。」

そう言って都合よく取り出された淡いピンクのパレオ。
A同様スリット入りなので、細身のハルヒにはやや着せられている感があるが、それは気のせいだ。

029→←027

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す