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「みたいだね〜」
「みたいだね〜って先輩に尊厳はないんですか?」
「でもなんかAちゃんが困ってるみたいだったし、これでいいんでしょ?」
といってはにぱっと笑顔になる彼に、はあ、とAは生半可に返答をする。
「…まあ勝手にしてください、俺は行かないんで。」
「え〜〜なんでよ、初等部面白そうだよ〜」
「本来ならこの時間は部活の時間でしょう?
誰も部室にいないのはおかしいじゃないですか?
俺がここにいるんで、先輩たちはどうぞお好きなように、」
といえばふ〜んと面白くなさそうな彼らは、すごすごと初等部に向かった。
その陰が消えたところで、Aがノーパソを取り出す。
「全く、できるだけ在校時間中に仕事はしたくないんだがな、」
そういってかぶっていたカツラをさらりと取り、暑苦しいネクタイの結び目もほどく。
上質な100万もしそうなソファに一人腰掛け、足を組み、かたかたと片手でノーパソをいじる傍ら、ひたすらにせわしなくメモを取るA。
「校内だから電話は控えるか。」
そういって電話しようとしていた手を止め、代わりに両手でキーボードを連打する。
誰にも見せない仕事姿はどこか疲れた様子でもあり、それは三時間も続けられた。
かた…
ようやく入力の一つが終わったところで、ふうとAは息をつく。
窓辺をみればもうすっかり夕方になっていた。
「…はあ。。。」
仕事帰りのサラリーマンのような声を出し、Aは自分で呆れる。
「さて。片付けるか。」
誰もいないのをいいことに、ついついやりたい放題だったAは、かがみ込み、投げ捨てられている紙を回収した。
「ずいぶんとまあ仕事熱心だこと。」
ん?と声を出して振り仰げば、そこにいたのは不機嫌そうな馨だった。
「俺たちを追い出して仕事の真っ最中って訳だったの?」
「時間がなかったんだよ。」
「出世頭も大変だ。」
「わかってるならいうな。」
「本来だったらさ、学生の生活してたら株なんて無理でしょ?」
「まあ。その辺りはね。」
なあなあにするつもりのAに、馨は少し不機嫌そうだった。
「Aってさ、全然私生活見せないよな。」
「そういうものだと勝手に思ってたけど何か反論でも?」
「いや面白みのないものだとおもっただけ。」
「ああ、そう、」
いつもより話が膨らまないと思っているときだった。
「なあ、Aってどうやってハルヒと知り合った訳?」
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年11月7日 2時) (レス) @page34 id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 押し付け的で母親としての愛情を持ち合わせていなかったらしいですよね。そんな割には好みでしたけど。楽しみにしています。 (2019年12月20日 11時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - イライザさん» ありがとうございます。ハリポタシリーズから引き続き拝読している身としてイライザさんの設定や世界観でコードギアスを一度拝見して見たいと思いました。私は個人的にルルーシュが好きです。特にギアスで命令している場面は特に。あと、ルルーシュの母親の愛情が (2019年12月20日 11時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» コードギアスとりあえず一話みてみました、話の流れとか面白そうですし、主人公の設定も先に見ましたが魅力あふれるキャラですよね。今度書いてみますね。 (2019年12月19日 14時) (レス) id: de44fc9ed6 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - あのコードギアスとかって興味ありますか?もし良かったらコードギアスの夢小説が読みたいなぁと思ってしまいました。世界観や設定が細かくて魅力的なので (2019年12月16日 22時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イライザ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年12月13日 17時