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いつの間にかハリウッドの撮影スタッフまでやってきたこの始末、
さてどうしようかと悩んでいると、A〜と後ろから声が掛かる。
なんだ?と言って振り返った先には、馨がいた。
「何何?
暗いね〜最初にそういう趣味に合わせるのもいいんじゃないって言ってたのに、怖気付いた?」
意地悪な言葉に、Aはふうとため息をつく。
「別になんだって良いだろう、いい加減なことを言うな。」
「本当か〜?」
傍から光まで絡んでくる始末に、Aはこのドッペルゲンガーが、と悪態をつく。
「ああ鬱陶しいな、」
「そう言ってどうせ少しは乗り気だったんだろう〜」
「この物好きめ。」
やりたい放題の兄弟にどうしようかと思っていたときだった、
じいっとこちらを獲物でも見つけような顔で見つめるれんげに、Aは頬を引きつらせる。
「さ。ハルヒ、次は俺たちの出番だな、」
「え、あ、うん、、」
いまいち状況がわかってなさそうなハルヒの手を強引に引っ張り、Aはさっさと終わらせてやろうと言う気持ちだけだった。
「ねえ、」
「うん?」
「Aってさ、実はレンゲちゃんのこと好きだったりする?」
「は?」
Aは一瞬ハルヒが血迷ったのかと思った。
「あのさ、俺がAだってちゃんとわかってるよね。」
「え、うん、」
「だから、、俺はバイじゃないんだよ。」
男の口調で女であることを証明するおかしな状況にジレンマを感じつつ、Aはハルヒの手を胸の上に置いた。
「わかってる?
俺のこと。」
じっと見つめると、ハルヒもじっと見つめ返す。
これ以上言わせないでくれという表情に、Aが僅かに苦悩の表情を見せた時だった。
「かぁああっっとぉおお!!!!」
カットと叫んでいることだけはわかったA。
は?と思って振り返れば、いつの間にか回っていたカメラ。
ニヤニヤとした顔の双子。
計画通りという表情の鏡夜。
涙を流しながら合掌するれんげ。
おおー絶景かな〜と他人事の銛乃塚と埴乃塚。
「ハルヒ、、、」
怒りを込めて彼女を見れば、何が起こっているのか理解できてない様子。
「どこからセリフだった?」
と尋ねれば事態をようやく理解したのか、すうっと目線が逸れる。
大凡こんなこと言えと誰かが彼女に吹き込んだのだろう。
Aは怒りが抑えられない。
「まさか、“実はレンゲちゃんのこと好きだったりする?“からか?」
ハルヒはしまったという顔で、こくんとうなずいたのだった。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年11月7日 2時) (レス) @page34 id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 押し付け的で母親としての愛情を持ち合わせていなかったらしいですよね。そんな割には好みでしたけど。楽しみにしています。 (2019年12月20日 11時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - イライザさん» ありがとうございます。ハリポタシリーズから引き続き拝読している身としてイライザさんの設定や世界観でコードギアスを一度拝見して見たいと思いました。私は個人的にルルーシュが好きです。特にギアスで命令している場面は特に。あと、ルルーシュの母親の愛情が (2019年12月20日 11時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» コードギアスとりあえず一話みてみました、話の流れとか面白そうですし、主人公の設定も先に見ましたが魅力あふれるキャラですよね。今度書いてみますね。 (2019年12月19日 14時) (レス) id: de44fc9ed6 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - あのコードギアスとかって興味ありますか?もし良かったらコードギアスの夢小説が読みたいなぁと思ってしまいました。世界観や設定が細かくて魅力的なので (2019年12月16日 22時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イライザ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年12月13日 17時