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205 秘宝 ページ30

Aとアレンをトップに立てて、死喰い人とのデスゲームがスタートした。
A達が戦いやすい大広間に向かっていると、途端すぐ横の壁が粉砕した。




「ヒッ」

腰を抜かしたネビルを引っ立てたAは、壁を盾に失神呪文を無言で放つと、ドサッと倒れる音がする。
敵の状態を確認しようとAが踏み込むと、そこにはだれもいない。


「Aッ」

ぐいっとドラコがAの肩を引き寄せた。

瞬間、Aの鼻先を呪文が掠める。
Aの死角から飛び込んで来たしらい敵の面目がけて、失神呪文を唱えたおかげで事なき事を得たAとドラコ。


「そっちは?」
「無事だ。」

顔が血まみれのアレンがひょいと出て来て、Aは小さく悲鳴を上げる。



「ああ大丈夫、額がちょっと切れてるだけだから、顔って結構血が出やすいんだよ。ほら。」

額の髪を捲ってみせるアレンに、Aはほっとする。

「でもそれじゃあ視界良好じゃないでしょ?」
「ん、ああ、」
「ならコレを。」

するりとネクタイをほどいたAは、そのネクタイを更に平たく割いて、アレンの額に巻き付ける。
応急処置を行っている二人の援護についてたネビルとドラコは、
ここまで無傷だった事自体に驚き、アレンの後方に連なる屍累々に正直肝を冷やしていた。

「ったく、なんだんだ彼奴等。」
「多分操られているだけだと思う。
これだけの人間をいっぺんに操る辺り、ヴォルデモート卿も相当追い込まれているな。」
「どういう事?」
「もう分霊箱が残り少ないってことさ。」

言うが早いか、タッと駆け出したアレンに続くA達。
その刹那ドラコの目にちらりと、見覚えのあるエメラルドが垣間見えた。

「っ、」


ドラコは思わず顔が赤くなるが、次々に怒る爆発音にそんな悠長な事は言ってられない。



すると辺り一帯に、低い嗄れた声が轟いた。








「降伏しろ!!!

ハリーポッターは死んだ。」



え________


誰かの声が分からない声が小さく響き、A達は顔を見合わせた。
するとタイミング良くジニー達が駆け寄って来る。

Aは一体何が怒っているのか問いつめるが、ジニー達も全く何がなんだかと言う顔をしている。


声のする大門の方まで急ぐと、丁度空が白んでいる頃だった。

巨大な階段は半壊レベルでない暗い酷い有様になっていて、Aは呆然とした。
完全に正面門が崩され、崩れた瓦礫の影から踏み込んで来た連中を見つめた。

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ゆう - こんなに引き込まれたのは初めてです。内容も構成も素晴らしい小説でした。主人公とドラコのむず痒いようで愛おしい関係に心が温まりました。本当に面白かったです。あなたの物語を読めたことに感激しています。素敵な話をありがとうございました。 (2020年11月20日 23時) (レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
- とても読み応えのある作品で、完結まで休みなしで読み終えてしまいました。物語が進んでいく中で、主人公とドラコの関係性が少しずつ変わり、謎も解明されていき、終始どきどきがとまりませんでした。私の拙い言葉では言い表せないくらい、本当にすてきな物語でした。 (2020年10月25日 4時) (レス) id: f5af52d735 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ナナナさん» 深夜ですか?!ありがとうございます!そこまで言ってもらえるととても嬉しいです(^^)本当にありがとうございます。 (2018年12月5日 7時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
ナナナ - 読み始めたら止まらんくて気付いたら夜中の3時まわってた!とても引き込まれました〜とても面白かったです (2018年12月5日 3時) (レス) id: f9de44e996 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 水素ちゃんさん» こちらこそありがとうございます。始めて書いたハリポタ作品なだけあって、至らぬ点があったにではないかと何度も読み返したあの頃が懐かしいです^ - ^そんな経緯もあってか、真摯なご感想に感激しました。こちらこそ貴方様の様に素敵な読者様に出会えて光栄です。 (2018年6月16日 18時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アサノ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年9月21日 23時

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