199 秘宝 ページ24
深夜、イギリスの古城ホグワーツにて、ハリーポッターに対しヴォルデモート卿から一つ宣戦布告が下った。
けれどそれは中世の騎士道や武士道みたく、大義名分の元で戦う事や、口上を述べ戦うと言った形式的なものではなく、滑稽なまでに狡猾で醜い手口でホグワーツに現れた。
「クラシスを、俺のクラシスと共に、ハリーポッターを差し出せ。」
嗄れた声の向こう側、もう血の契約のものは何もない筈なのに、尚Aに執着するヴォルデモート卿にドラコは真っ青になった。
「あれはどういう意味だったんだ？」
「さあ、私も分からないわ。」
双子達と合流したAとドラコは、アレンの紹介も会ってか、思いの他すんなりとこちら側の陣営に参加する事が出来た。
まあ命が掛かっているので今更問題を引っ張りだす余裕もないというのが、正しい雰囲気だったが…
そんな中、Aとドラコはレイブンクロウの寮がある塔の上で、ホグワーツを守るために防御魔法を唱えていた。
プロテゴ・マキシマッと最大の防御魔法を天に向かって唱えるAに習って、ドラコも自分の頭上に杖の切っ先を向けた。
先のヴォルデモート卿の言葉に違和感を覚えたドラコは、傍らの少女にそれを尋ねたと言う訳だ。
「これはあくまで推測だけど、ヴォルデモート卿は記憶が混乱しているんじゃないかしら。」
「なんでそう言える？」
「あの時おばあさまの名前と、私達クラシスの名前が交互に出ていたからよ。」
ドラコの問いにAは自信なさそうではあるものの、否定は出来ないわよと付け足して、推測を始めた。
「学生時代に仲良くなった曾祖母と、ダンブルドアに進められて闇祓いになった後の曾祖母では、やっぱり何か違っていたんじゃないかしら。
ほら、私と一緒よ。
昔貴方と遊んでいた私と、今此処で貴方の隣で戦っている私、やっぱり違うでしょ？」
同意し難い例題を持って来られて困るドラコに、Aは気がつく事なく自論を話して行く。
「二人とも同一人物なのに、背負っているものや自分の持っている理由や何かで、人は大きく変わってしまう。
クラシスと呼ぶ時は憎悪の意思が感じられたけど、マレリーヌと名前を呼んでいるときは必死に求めているみたいだったわ。」
確かにと呟いたドラコに、Aは、天空に向けていた切っ先を今度は僅か下にずらして、更に最大の防御魔法を唱えて行く。
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ゆう - こんなに引き込まれたのは初めてです。内容も構成も素晴らしい小説でした。主人公とドラコのむず痒いようで愛おしい関係に心が温まりました。本当に面白かったです。あなたの物語を読めたことに感激しています。素敵な話をありがとうございました。 (2020年11月20日 23時) (
レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
の - とても読み応えのある作品で、完結まで休みなしで読み終えてしまいました。物語が進んでいく中で、主人公とドラコの関係性が少しずつ変わり、謎も解明されていき、終始どきどきがとまりませんでした。私の拙い言葉では言い表せないくらい、本当にすてきな物語でした。 (2020年10月25日 4時) (レス) id: f5af52d735 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ナナナさん» 深夜ですか？！ありがとうございます！そこまで言ってもらえるととても嬉しいです(^^)本当にありがとうございます。 (2018年12月5日 7時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
ナナナ - 読み始めたら止まらんくて気付いたら夜中の3時まわってた！とても引き込まれました〜とても面白かったです (2018年12月5日 3時) (レス) id: f9de44e996 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 水素ちゃんさん» こちらこそありがとうございます。始めて書いたハリポタ作品なだけあって、至らぬ点があったにではないかと何度も読み返したあの頃が懐かしいです^ - ^そんな経緯もあってか、真摯なご感想に感激しました。こちらこそ貴方様の様に素敵な読者様に出会えて光栄です。 (2018年6月16日 18時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月21日 23時
