197 秘宝 ページ22
Aは真っ青になって焦った。
「ドラコ降ろしてっ私にはまだやる事が。」
「杖もないのにどうやるって？」
「そ、それは、」
「もういいだろ、僕はいい加減君に逃げられるのは嫌だ。」
「ドラコ、何も逃げるわけじゃ「この戦いが終わったらどこに行くつもりだ。
また僕から離れるんだろ？」
うぐっと答えに詰まったAに、ドラコの真っすぐな目が離さない。
「君が僕をそこまで過大評価している事に僕は呆れたよ、」
「何も褒めてないわよっ」
「なら、どうして僕が昔消えた幼馴染みを、ずっと好きで居続けると思えた？
僕はそこまで一途に見えるか？」
「…、違うの？」
Aはこみ上げてくる涙をこらえた。
この状況で昔の恋心を振ってくれるとは思いもよらず、Aはコレまでにないくらい恥辱の色で顔が赤かった。
けれど全くそれは杞憂だった。
泣きそうな顔のAに反して、ドラコはにこりと笑っていた。
「A、僕は君が好きだ。
スリザリンの首席で、
闇祓いの末子で、
サラザールスリザリンの末裔、って言う事も勿論魅力的だけど、
普段冷静な癖して、案外突飛な行動に弱い事も、ダンスをノリノリに踊る所も、
優秀なくせしてどこか抜けてる所も、
何でもない顔で全部一人で抱え込む癖も、
肝心な事を何も話さない癖も、
こうやって自分に向けられる気持ちに弱くて、素直に顔を赤くさせる所も、全部含めて好きだ。」
突然の口説き文句に、バカと、Aは弱々しい声で返すが、ドラコの顔はこれ以上似ないくらいに、にやけていて幸せそうだった。
「二年生の時君を大事に思ってるって言ったろ？
アレは嘘じゃない、でも好きと大切は違う、そうだろ？」
「、無茶苦茶だわ、」
Aは顔を両手で覆い、こみ上げてくる気持ちで震える唇を必死に堪えた。
なんと返したらいいのか、いつもなら順応に動く頭が全く着いて来なかったAは、ドラコの腕の中で固まってしまった。
「A、顔、見せて。」
フルフルと顔を横に振るAに、ドラコはやれやれと首を横に振り、そっとAを降ろした。
真剣な目が涙で濡れた目を愛おしげに見つめた。
「A。
本当に逢いたかった。」
ぎゅうっっと抱き締めたドラコは、ようやく捕まえた想い人を前に、はあっと感嘆の息を漏らした。
「ドラコ、
私、」
Aが素直に自分の気持ちを打ち明けようとしたとき、
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ゆう - こんなに引き込まれたのは初めてです。内容も構成も素晴らしい小説でした。主人公とドラコのむず痒いようで愛おしい関係に心が温まりました。本当に面白かったです。あなたの物語を読めたことに感激しています。素敵な話をありがとうございました。 (2020年11月20日 23時) (
レス) id: ba6b4fdba7 (このIDを非表示/違反報告)
の - とても読み応えのある作品で、完結まで休みなしで読み終えてしまいました。物語が進んでいく中で、主人公とドラコの関係性が少しずつ変わり、謎も解明されていき、終始どきどきがとまりませんでした。私の拙い言葉では言い表せないくらい、本当にすてきな物語でした。 (2020年10月25日 4時) (レス) id: f5af52d735 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ナナナさん» 深夜ですか？！ありがとうございます！そこまで言ってもらえるととても嬉しいです(^^)本当にありがとうございます。 (2018年12月5日 7時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
ナナナ - 読み始めたら止まらんくて気付いたら夜中の3時まわってた！とても引き込まれました〜とても面白かったです (2018年12月5日 3時) (レス) id: f9de44e996 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 水素ちゃんさん» こちらこそありがとうございます。始めて書いたハリポタ作品なだけあって、至らぬ点があったにではないかと何度も読み返したあの頃が懐かしいです^ - ^そんな経緯もあってか、真摯なご感想に感激しました。こちらこそ貴方様の様に素敵な読者様に出会えて光栄です。 (2018年6月16日 18時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月21日 23時
