柱の少女は、狙われ体質。参

命を賭して ページ19

上弦の壱の武器は刀。加えて呼吸を使ってくる元剣士のようだ。







この鬼は強い。私一人じゃ瞬殺されるくらいに強い。でも、不思議と怖くはない。

無惨と対面したことだってあるから肝が座ってきたのかもしれないな。









『A!!』




体制を崩した実弥の前に飛び出して、攻撃を捌いた。斬撃を全ては受けきれなかったけど切り傷程度。










「お前……痣出たのか。正直加勢はありがてぇが自分を犠牲にしてまで俺を庇うな。」



『犠牲になんてする訳ないでしょ。ちゃんと攻撃捌いた。』



「(……反射速度が以前より格段に上がってる。痣の影響もあるだろうが、無限城から帰還して以来急激に成長してやがる。)」



『私はもう守られる側じゃない。失いたくないものは……自分の手で守るよ。』



「蒼天、気をつけろこの鬼の斬撃は不規則に変化する。一秒足りとも気を抜くな。」



『承知してます悲鳴嶼さん。全集中宙の呼吸 伍の型 羅天鏡!!』









とんでもなく間合いが広く変化する斬撃を掻い潜り、実弥と悲鳴嶼さんと連携して技を繰り出すが、鬼の着物を掠める程度。まだまだ通用していない。


脇腹を抉られ、皮膚を削がれ、出血が重なる。血を流せば流すほど動きが鈍くなっていく。









後から無一郎くんと玄弥くんが加勢してくれて、少し優勢になった。




無一郎くんの特攻に合わせて懇親の一撃を仕掛ける。攻撃をかわせ、少しでも間合いの内側へ！




無一郎くんが上弦の壱の胴に刀を突き刺し、玄弥くんの血鬼術で拘束した。







今が好機とばかりに技を出し、一斉に斬り掛った。


鬼の体中から刀が生え、その衝撃で吹っ飛ばされた。無一郎くんは胴が両断され、玄弥くんは縦に真っ二つ……









あぁ、もう嫌だよ。








辛いよ、苦しいよ、

仲間の死を目の前で見るだけなのは。

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