スパルタ稽古 ページ8
それから私達は柱稽古の合間に度々互いの屋敷を訪れた。
私が風柱邸へ訪れると大体いつもボロボロでゲロまみれの隊士がたくさん転がっている(死んではいない……と思う)。
実弥の稽古は過酷だからなぁ……無限打ち込み稽古らしい。きっとろくに休憩も与えてないんだろう。
耐えきれなくなった勇気ある隊士が屋敷から脱走し、屋敷を訪れた私に縋りついてくる。
「あれ?なんで蒼天さんがこの地獄の屋敷の前にいらっしゃるんだ?……あぁそうか……幻か……。」
かなりの重症だ。
天元さんに扱かれて無一郎くんと伊黒に精神やられて…うちでガチ鬼ごっこと筋トレして…実弥にボッコボコにされてたらそりゃあこんな風にもなるか。
「蒼天さん、風柱やばいですあれ本当に化け物ですよ俺らのことガチで殺しにかかってきてます助けて下さいよもう俺死んじゃいますって……」
そう懇願されても人の柱稽古に口出しはあまりできない。
『……。おはぎを買ってきましょうかね。彼の気性が荒いのは仕方ない。もうおはぎの力を借りるしかないよ。』
そんなこんなしている間に般若のような形相の実弥が哀れな隊士を回収するというのがお決まりの流れとなってしまっている。
稽古の後、私達は前と同じように屋敷の縁側に二人並んで座っていた。
『ねぇ。教育熱心なのはいいけどさ、もうちょっとさ……労りの心を持って接してあげたら……?』
「全面的に雑魚すぎるアイツらが悪ぃ。」
『言うと思った!いや、でもさぁ、そのうちあの子達が実弥に真剣向けてくるかもよ……あぁ怖い!ねぇ見てよ想像したら鳥肌立ったもん。』
そう言って私は腕を実弥顔面に突き出す。実弥は真剣に私の腕をじっと見つめた。
「そーかよ」
『え、何かそっけない。まだ怒ってるの?』
「チッ」
実弥は謎に舌打ちして、彼の目の前に差し出されている右手をつかんでグイっと引っ張り、二人の間に置いた。
それはやがて恋人繋ぎになった。
実弥って何気なく優しいんだよな。何でか舌打ちされたけど。
『……実弥が本当は優しいってこと知ってるのは私だけでいいや。』
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ゆりなんぽん - あぁもうハラハラします!せめて、夢主だけでも幸せになって! (2020年6月6日 18時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
日向鬼@低浮上(プロフ) - 好き好き好き好き好き好き好き好き好き((頑張ってください!最後二人には幸せになってもらいたい…!! (2020年6月1日 22時) (レス) id: 98b52071c9 (このIDを非表示/違反報告)
なな - もう!不死川くんキュンキュンしちゃうわ!(蜜璃ちゃん風)実弥の落ちが好きになる…! (2020年4月26日 9時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
なるは。(プロフ) - コメントありがとうございます!個々に返信できなくてすみません……でも本当に応援のコメントが励みになっているんです。もう感謝しかないです……これからもこの作品をよろしくお願いします! (2020年4月23日 19時) (レス) id: 091bffa261 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 続編おめでとうございます!!とーってーっも面白いので、応援してます!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるは。 | 作成日時:2020年4月16日 10時