柱の少女は、狙われ体質。弐

伍拾伍 ページ7

夢主side



煉獄さんはもう助からない……。






遅かった。

ここまで鍛えて強くなって今は柱にさえなったのに、救えない。変われていないじゃない。







どんなに己の無力に打ちのめされようとも、鬼殺隊を支える柱としてやることは“鬼を斬る”ただそれだけ。








日の光から逃げようとする猗窩座の頭に炭治郎の刀が突き刺さる。

炭治郎達のことも、乗客も、全員を守り抜いた煉獄さんを私は本当に尊敬していた。






私もあんなふうにできるようにならなくちゃ、と思う。

だから、せめてこの鬼はここで斬る。





鬼の両腕を切り落とし、再生に追われているところに追い打ちをかける。





しかし、完全に日陰に入ってしまった。






私は怒りの目で鬼を睨む。


すると、鬼は突如、驚きを見せた。

私はお前を殺しに来ているというのに。









猗窩座「お前……無惨様が探しているのはお前だったのか。そうか……その瞳、髪色よく見たらその通りだ。あぁ、やはり殺さなくて良かった！」


『ねぇ、それ聞き飽きた。黙ってよ。私は今、凄く怒っているの。』








私は攻撃を連続で繰り出し、日向まで追い詰める。


感情は不安定だけど、なんだかいつもよりも格段に体が軽くて動きやすい。


しかし、惜しいところで逃げられた。












『っ、ハァハァ……』





一気に体が重くなった。

あれだけ動いたからその反動がきたのかもしれない。









重い体と嫌悪感でぐちゃぐちゃの心を引きずってもといた場所へ戻った。

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