柱の少女は、狙われ体質。弐

陸拾仇【信頼】 ページ21

Noside



産屋敷邸にて緊急柱合会議が行われた。だがそこに蒼天Aの姿はなかった。



産屋敷「急に呼び出してすまないね。皆集まってくれてありがとう。重要な話があるんだ。」



話の内容は、Aが下弦四体に襲撃を受け、上弦の弐に攫われたということだった。

柱達は想定外の産屋敷の言葉に驚きを隠せないようで言葉を失った。




実弥「さ、攫われたァ……？」


胡蝶「攫われたとなると、鬼側とAさんの間に何か事情があったのでしょうか？」


悲鳴嶼「南無阿弥陀仏……柱が攫われるなど前代未聞……お館様、ご説明願います。」







唖然とする者、不可解に思う者、心配する者、皆それぞれ更なる情報を求めてお館様の言葉を待った。




産屋敷「まず、君たちに話していなかったことがあるんだ。二ヶ月ほど前、Aは上弦の弐に遭遇していた。そこで彼女は、自分が鬼舞辻無惨に狙われているのだと知った。理由はAの前世が鬼舞辻に関係しているからだと言っていたそうだよ。

この情報は、私に報告してくれていたのだけど、彼女には口止めにしていたんだ。鬼舞辻が尻尾を出したこの事態は、彼奴を殺すための兆しになると考えて、策を考えていたからね。いずれ皆にも話そうとは思っていたのだけど、こんな形になってしまってすまなかったね。」




悲鳴嶼「いえ、お館様の考えは理解出来ます。」

不死川「前世なんざ馬鹿げた話です、根拠さえない。何故そんなもんにAが巻き込まれなきゃならねぇんだ……」




産屋敷「鬼舞辻がAを攫ってどうするつもりなのか、真の目的は分からない。私が話せるのはここまでだよ。後の経緯はあの場に居合わせた者に話してもらいたい。」

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