柱の少女は、狙われ体質。弐

陸拾捌 ページ20

無惨「蒼天A。何故お前は鬼を殺すのだ。」




『兄妹を……鬼に殺されたから。』



無惨「では鬼が憎くないか？なぜ鬼を哀れむ」



Aはこちらをちらっと睨み目線を下に向ける。


『お前に話す義理はない。私が気に食わなければ殺していいよ。』








麗と違って生意気だか、肝の据わった娘だ。悪くない。


無惨「お前は殺さない。私の傍に置く。鬼にして、永遠を生きるのだ。」




『鬼になったら、私は自分の頸を掻っ切って死ぬだけだよ。いずれにしても、私の心がお前に傾くことはないと思うけどね。』




無惨「随分と生意気な娘だ。麗と似ているのは容姿だけだな。」




『言っておくけど、その麗って人はきっと別人だよ。私、前世の記憶なんて持ってないし』





いいや、此奴はおそらく本当に麗の魂の生まれ変わりだ。

私が鬼になってからもずっと心の片隅に麗がいたのだ。彼女を一目見た時から確信があった。






無惨「そうだな、私もお前の性格はいけ好かん。だか、容姿は間違いなく麗そのものだから死なせない。鬼にするのはまだ先だ。牢屋に居ろ。」






時期に前世の記憶を思い出せば、彼女は蒼天Aではなく、完全に麗に戻ることが出来る。

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