56 ページ9
｢僕、もう一度やって見ます！僕の考えたことは、十分に幸せな事じゃなかったんです。きっとそうです｣
リーマスは心配そうな顔をしながらも、箱を開けた。
ハリーは呪文を唱えた。
今回は倒れることがなかった。私はハリーの前に立った。＿実はボガートの対処に1度も成功した事がないから、どうしてもとお願いしていた。
ボガートの姿が変わった＿私と同じ髪色＿勿忘草＿暗闇＿自分の存在が消えてしまうような感覚。
自分の怖いものは孤独。暗闇のどん底にいるなら、希望の光に照らしたらいいのだ。そんな明るい華やかな風景を思い描いて呪文を唱えた。
『リディクラス！』
すると、ボガートは鮮やかな色の花びらとなり、ヒラヒラと舞いながら箱の中に戻った。
｢Aもハリーもよくやった！｣
成功した事が嬉しくてたまらなかった。だって、自分が最も恐れているものに打ち勝てたようなことでしょ？今の私だからできたんだ。きっとそうだ。
｢もう一回やってもいいですか？もう一度だけ｣
｢いや、今はダメだ 1晩にしては十分すぎるほどだ。さあ＿｣
リーマスはハニーデュークスの最高級チョコをハリーと(何故か)私に1枚ずつ渡してくれた。
｢ハリーは全部食べなさい。そうしないと、私はマダム・ポンフリーにこっぴどくおしおきされてしまう。Aは成功したお祝いだよ。来週、また同じ時間でいいかな？｣
＿知らぬ間に1月が過ぎ、2月になった。
ハリーは最近苛立っていることが多い。クリスマスにハリーに送られたファイアボルトは、呪いがかかっていないか調べるため、まだ返されていない。それに加え、吸魂鬼防衛術の訓練も彼の思うようには進んでいない様子だった。
ハリーは訓練で何とかモヤモヤした銀色の影を創り出せるようにはなっていた。ちなみに私は最近、杖無しで守護霊を呼び出し、伝言を行えるように訓練している。
｢Aは杖無しでできているのに僕は…｣
｢高望みをしてはいけない 13歳の魔法使いにとっては、たとえぼんやりとした守護霊でも大変な成果だ。もう気を失ったりはしないだろう？それに、杖無しで守護霊を呼び出せるのは世界中を探しても2、3人いるか居ないかだろう＿｣
それは初耳であった。これは、私の魔力に関係しているのだろう。
｢さぁ、ご褒美に飲むといい。三本の箒だよ。ハリーは、今まで飲んだことが無いはずだ。｣
リーマスは鞄から瓶を3本取り出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：作者 | 作成日時：2022年3月14日 21時
