月を恐れる狼と魔女２【ハリー・ポッター】 (ページ10)

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ハリーはそれを見るなり嬉しそうにこういった。

｢バタービールだ！うわ、僕大好き！｣

飲んだことないはずなのに、そんなこと言ったらホグズミードにこっそり行ったことバレるって！私は焦り、ハリーの頭を近くにあった羊皮紙でど突いてしまった。

｢私がこの間、ホグズミードから少し持って行ったの。｣

リーマスは納得していないようだったが、どうにかその場をやり過ごすことが出来た。

｢それじゃ＿レイブンクロー戦でのグリフィンドールの勝利を祈って！…おっと、先生がどっちかに味方してはいけないな｣

その後バタービールを飲みながら、吸魂鬼について話した。そしてその時初めて、魔法省が吸魂鬼にシリウスを見つけ次第、吸魂鬼の接吻を執行することを許可したという事を知った。

シリウスの事情を知っている私はどうにかしなければと思った。シリウスに私の杖を貸す？＿いや、それはダメだ。もし、バレたらリーマスにも迷惑をかけてしまう。それだけは避けないと。

｢＿A、もう談話室に戻ろう。｣

考え込んでいたせいで周りの声が全く頭に入ってこなかった。

『＿あぁ、ごめんごめん』

リーマスに礼を言って魔法史の教室を離れた。

『ハリー、私用事があるからまた後でね』

｢うん、それじゃ｣

私は小走りで厨房へと向かった。

『ヴェル、パンとかお肉ってすぐに用意出来る？』

｢A様！もちろんでございます！｣

ヴェルは20秒ほどで全て用意してくれた。

『いつもありがとう！それじゃ。』

＿いつものように暴れ柳の所へ行き、叫びの屋敷の方へ向かう。

『…シリウス？』

呼んでみるけれど今日は人の気配がない。会いたい時に限っていないのよね。シリウスの無実を証明出来たらどれほど良い事かと、最近ずっと思っている。そうなれば、リーマスの支えとなるのに＿。

10分程待ってみたけれど、帰ってくる気配がないので諦めることにした。

談話室に戻ると、ハリー達がいた。なんだか、険悪な雰囲気…

『どうしたの？』

｢スキャバーズがいなくなったんだ！ほら、これを見ろ！｣

ロンが掴んでいるシーツには血がついていた。

｢それで床に何があったかわかるか？｣

｢い、いいえ…｣

ハーマイオニーの声が震えている。
ロンは机の上に数本のオレンジ色の猫の毛を叩きつけた。