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あれから何分経ったのだろうか。何も無い所で過ごすのは本当に暇…。クルックシャンクスは私の膝の上で寝ているし遊んでくれない…寝ようかな、なんて考えてたら聞き覚えのある声が聞こえてきた。

その声の持ち主はロンだ。目の前にシリウスが居るからか混乱していて私がいることに気づいていない。

その後、ハリーやハーマイオニーもやって来た。

「ロン__大丈夫?」

「犬はどこ?」

「ハリー、罠だ__あいつが犬なんだ……あいつは動物もどきなんだ…」


ハリーとハーマイオニーが杖を構えていた。

「…A、杖を貸せ」

『はい、折らないでね』

今の会話でハリー達は私がいることに気づいたようだった。


「A!何をしてるんだ!」

「こいつは凶悪殺人犯なんだ!君は僕たちを裏切ったんだ」

ハリーとロンが叫んだ。シリウスは殺人犯ではない。だから裏切ったことにはならない。だが、友人に裏切ったと言われると心が傷んだ。


「エクスペリアームス!」

シリウスが呪文を唱えた。ハリーとハーマイオニーの杖がシリウスの手の中に収まった。

「君なら友を助けに来ると思った。君の父親も私のためにそうしたに違いない。君は勇敢だ。教師の助けを求めなかった。ありがたい…その方がずっと事は楽だ…
Aは君たちを裏切ってはいない。Aは真実を知っている。」

ハリーは憎しみの籠った目付きになっていた。ハリーは今にもシリウスに殴りかかりそうだった。

「ハリー、ダメ!」

「ハリーを殺すのなら、僕達も殺すことになるぞ!」

『…ロン、彼は貴方達を殺す気なんて全くないよ』

「今夜殺すのはただ1人だ」

そうそう。……ん?今1人って言ったよね?そんな事したら、彼が本当に人を殺したことになる。
そんな事を彼の友人_ハリーのお父さんが知ったらどんなに悲しむ事か。私は彼に人殺しになって欲しくない。


シリウスに杖を返してと言おうと思ったら隣でハリーがシリウスを殴っていた。


『ハリー!やめて!』

ハリーを止めようとハリーの腕を掴んだが、小柄の私は直ぐに投げ飛ばされた。その時に背中を打ち付けたため、直ぐには立ち上がれなかった。背中がジンジンと痛む。


ハーマイオニーはシリウスから全ての杖を取っていた。シリウスの怪我が酷いことに気づいた私はすぐにでも治療をしようと試みた。

ハリーはシリウスに夢中である。ロンとハーマイオニーも私の方には意識が向いていないようだった。

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作者名:作者 | 作成日時:2022年3月14日 21時

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