【鬼灯の冷徹】遠い存在【白澤】

忙しい日 ページ7

『桃太郎くんー！そこの棚にある漢方取ってくれる？』


「はい、どうぞ」


『ありがとう』









今日は何故かお客が多い。



てんやわんやしていて忙しい。






そんな中でもあの人は、、、









「はい、頼まれてたお薬。食前に飲んでね〜。
　
　君いつも買いに来てくれるから感謝の気持ちを込めて一緒にショッピングにでも行かない？」






馬鹿じゃねえのか、こいつ。



ただでさえ忙しいのにどこまでも女の子のことしか考えていない。





お店で働いてる唯一の女の子の事も考えてよ。






『白澤様！！女の子ナンパしてないでこっちも手伝ってください！』


「もう、Aは怒りんぼうだな〜。
　ねえ、君もそう思わない？？」


「いえ、私は……」


『ほら、困ってるじゃないですか！さっさと仕事に戻る！』






そう言って彼の腕を掴み無理矢理こちらへ連れてきた。





「Aったら本当乱暴なんだから。」


『どっちが悪いんですか！！お客さん来てるのに』


「僕もお客さん相手に‘接客’してたんだけど」




女の子に、の間違いだろ。






『はいはい、そうですね。でもこっちも少しは手伝ってください。』


「分かったよ〜だ」








少し不機嫌そうな顔をする白澤様。




やばい、機嫌損ねちゃった。








『白澤様、後で何でもしますから少しだけ お願いします。』









小さい声で耳打ちした。







「何でも、ね〜。いいよ、今だけ頑張ったげる」








いま、口角が上がったように見えた。







『？ありがとうございます』









この時は只々仕事の負担が少しでも減ることしか考えていなかった。

御褒美→←夜の決まりごと

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す