【鬼灯の冷徹】遠い存在【白澤】

店番 ページ5

あーぁ、暇だな〜。






店番を初めて30分、まだお客さんは来ない。






寝ようかなぁ。









「…き…さい、Aさん起きてください」


『んー、もうちょっと








　え、あ、失礼しました鬼灯様！！！！！！！』






やばい本当に寝てた最悪。





よりによって鬼灯様に寝顔見られるなんて恥ずかしすぎる




「いえ、大丈夫です。熟睡でしたけど疲れでも溜まってるんですか」


『あははは…大丈夫です……

　ところでお薬を買いに来てくださったのですか？』


「はい。閻魔大王が風邪を引いたらしく喉の調子が悪いそうなので銀翹散(ぎんぎょうさん)はありますか？」


『ございますよ、少々お待ちください』






一礼して銀翹散を漁りに行く。
　






これは喉の痛みや咳、頭痛に効果がある漢方。









あの人に、少しでも追いつきたくて精一杯仕入れた知識。





『確かここら辺にあった気が、、』






たまに何が何処にあるのか分かんなくなるんだよね、ここで何十年も仕事してるけど。






あ、あった




『鬼灯さん、どうぞ 銀翹散です。食後に飲むよう伝えてください』


「ありがとうございます。では」


『毎度ありがとうございました。』








その後も2,30分にお客さんが来て、ようやく、









「ただいま〜、お客さんはどれぐらい来た？」


『おかえりなさい。ぼちぼちってところです』


「そっか、お疲れさま」








だから、その笑顔をあたしに向けないで。


あたしだけの笑顔にしたくなるから。

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