【鬼灯の冷徹】遠い存在【白澤】

白澤の理由 ページ11

正直やらかした感がある。









嫌だっただろうか、嫌いになっただろうか。








そりゃ嫌だったし、嫌いになっただろう。

僕のことなんか元々眼中にもない。









本当勿体無いよねぇ…僕に好かれてるって言うのにあっちは見向きもしないで素っ気ない態度を取るばかり。









そんなんじゃ いつか君の好きな人にも見放されちゃうよ。









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「もっと素直になりなよ」





ぼそっと呟いたつもりだったが地獄耳のAには届いていたようで、え？今なんか言った？？ と聞かれてしまった。








その問には ううん、なんでもない。 としか答えられなかった。









あの後は普段の生活に戻った。








寂しさを紛らわすかのようにお店に来た女の子に声をかける僕、

それを冷たい目で見てくるA、

そんな僕たちの事を ああ、またか…。 というように呆れた様子で見向きもしない桃タローくん。







これがいつもの生活。









そうだ、これでいいんだ。





Aが振り向いてくれないことはもうとっくの前に気づいていたはず。




なのに どうして今更あんなことをしようとしたのか、僕は理由を明確に覚えている。








理由。









たまたま店を開けていて、帰って来た時。





カウンターで寝ていた彼女が寝言でこう言った。









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『白澤様……好き、です…。』









期待してもしょうがないよね。

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