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ギラギラ(ジャミルside) ページ44

「いただきっ!」

「させるかっ!」

攻防は30分以上続いている
その間俺は本気でラドルとぶつかっていた
ラドルは一年生とは思えない動きで俺を追い詰めてきた
まるで獲物を追う追跡者の様に執念深くボールを奪おうと襲いかかってきた
時に攻められ、時に防がれ
謙遜なんてない世界で二人きりの戦い
俺に憧れ、本気でぶつかり、心の底からの好意を持って立ち向かう彼の熱意溢れる瞳に俺は酔いしれていた

「中々やるな!」

「先輩こそ、もっとレベル上げて!こんな物じゃないでしょっ!」

「言ったな……良いだろう、見せてやる。この俺の真の実力をな!」

「臨む所です!さぁ来い!」

その目、その目だ
その目でもっと俺を見ろ
俺を心に焼き付けてくれ
本当の俺の実力を!
そして称賛してくれ
あぁ、なんて愛おしい後輩だ
欲しい、欲しいな……
その目がもっと、欲しい!
俺はあらんばかりの力でシュートをかました
ダンクシュートだった
ピーッと試合終了を知らせる笛が鳴った

「終〜了〜!ウミヘビ君5点、うなぎちゃん4点でウミヘビ君の勝ち〜!ちょー凄かったじゃん!あー面白かった。」

すっかり息の上がったラドルを俺は見る
彼はその場に崩れ落ち座り込んだ
汗はダクダクで髪もボサボサだ
でもその目の輝きは俺を見つめて離さなかった
羨望と闘志の入り混じった瞳で食らいつきながらも彼は笑っていた

「はぁ……はぁっ……凄い、ジャミル先輩は凄いです!」

「はぁっ……どうして、そう思う?」

「今までっ……何でも一番にならなきゃって、脅迫される様な生活をおくってました……だから努力に努力を重ねてきた。でも全然一番にはなれなくて自信もだんだん失せてって……でも、ジャミル先輩、凄かった!カッコよかった!真正面から実力だけでぶつかってきて、本気の姿がとっても眩しくて……!自分の実力に自信があるのがよくわかったんです。だから悔しさよりもジャミル先輩の凄さに圧倒されちゃって……先輩の実力、とくと味わわされました!ありがとうございました!」

キラキラと汗まみれにそう答えるラドルに俺は震えた
今までカリムのせいで本気なんて出せやしなかった
ここでも周りを気遣ってたまにしか出せない
でも、こいつなら
コイツとなら……

「こちらこそありがとう。試合は俺の勝ちだが是非今日の宴には来てほしい。」

「え!?い、いいんですか!?」

「あぁ、好きな物は何だ?出来る限り今度は俺が君の望みに答えよう。」

ラドル・B・オークス
優しく鉱石のような輝きを持つ俺のオアシス
お前は俺の手の内だ

宴→←その目(ジャミルside)



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あんかけうどん(プロフ) - Aliceさん» 嬉しすぎる言葉をありがとうございます!ランドールはいいぞ……是非映画の方もご覧になってみてください。インク→ユニバーシティ→インクの順に見るのがおすすめです! (2021年12月25日 16時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - クリスマスに一気に読んでしまった、ランドールの魅力をこの小説で知れました、ありがとうございます! (2021年12月25日 14時) (レス) @page32 id: 31d32091d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんかけうどん | 作成日時:2021年12月16日 10時

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