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その目(ジャミルside) ページ43

純粋に驚いた
気まぐれフロイドの豪速球が人影にぶち当たり急いで駆けつけるとそこにはラドルがいた
ラドルはケロッとして少し腹を支えつつも立ち上がりドリブルまでしてみせた
おまけに昨日のカップケーキの味の感想を聞くのも忘れずに
どこまでイレギュラーなんだ
ありえるか?
ここまでお人好しなのはカリムとシルバー位だと思っていた
更に彼はその体で3ポイントシュートまで決めた
てっきり本の虫だと思っていたのに
驚きのオンパレードとはこの事だ
が、それ故に気になった
彼の実力を
後輩への指導の名目なら少しは本気を出しても大丈夫だろう
どこまでも予想外な後輩の実力、体感しておいて損はない

「フロイド、頼む。」

「いぃよぉ〜?」

上機嫌なフロイドは笛を片手に得点ボードの隣に立つ

「んじゃあ先に5点とった方の勝ちねぇ〜。シュート決めるごとに方法は限らず1点固定って事で行くよー。3.2.1……」

ピーッと笛がなる
そしてなった瞬間

「うなぎちゃん1点〜!」

「……は?」

見えなかった、気配さえも
気づけばボールはゴールを通り抜け床に跳ねていた

「やった!久々だったけど上手く行った!」

嬉しそうにボールを跳ねさせるラドルに呆気に取られてしまう
何が、起きた……

「どんどん行きますよジャミル先輩!」

そう言ってラドルはボールを持って構える
これは……

(何がお手柔らかにだ……プロも顔負けじゃないか。)

そう思いながら俺は構え、ボールを取りに襲いかかった

「っと!」

「やるな、だがこれならどうだ?」

「うわぁ!?」

絡みつくようにしつこく、素早く
相手の逃げ場をなくしていく
絶え間なくボールに手を伸ばし、ボールの行き先を予測して取りに行く
最初は応戦していたラドルだったがとうとう手からボールを俺に奪還されてしまった
すかさず俺はシュートを入れに走り、見事決めた

「1点、いただいたぞ。」

「ほぁ……」

そう言えば彼はキョトンとした顔をした後唇を噛み締めた
悔しいがっている……?
いや、あれは……

「ジャミル先輩……僕、バスケ部に入ります!」

目をギラギラと輝かせて、彼は嬉しそうに笑っていた
あの緑の瞳じゃないから確実にラドルが言っている事なのだろう
彼は俺をしっかりと見つめながらまた構える
あぁ、この目は……

(良い……!)

自分に向けられたその視線が俺は酷く愛おしく思えた
愛おしくと言っても同性愛的なそれではない
どちらかと言えば愛玩動物に向けるそれだ
あぁもっと俺を見ろ、見てくれ!
身分なんて関係ない、俺を!俺だけを!
そんな欲望が俺の中で渦巻いていた

ギラギラ(ジャミルside)→←バスケ



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あんかけうどん(プロフ) - Aliceさん» 嬉しすぎる言葉をありがとうございます!ランドールはいいぞ……是非映画の方もご覧になってみてください。インク→ユニバーシティ→インクの順に見るのがおすすめです! (2021年12月25日 16時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - クリスマスに一気に読んでしまった、ランドールの魅力をこの小説で知れました、ありがとうございます! (2021年12月25日 14時) (レス) @page32 id: 31d32091d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんかけうどん | 作成日時:2021年12月16日 10時

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