ランドールの魂を宿した僕は転生者（twst男 not監督生）

あいつは（ジャックside） ページ15

初めてあいつと会った時、なよっちぃ奴だと思った
丸い眼鏡に猫背
典型的な弱虫
そんなあいつがなんとなく気にくわなくてヴィルさんの所へ連れていった
弱いからいじめられるなら強くなればいい
ヴィルさんは強いし力になってくれると思ったし、案の定手助けしてくれてラドルはどんどん堂々としてきた
まだなよなよしてる時もあるけどそれでも凄い進歩だ
それにあいつは物凄い努力家だった
流石にやりすぎと思うこともあるがヴィルさんのトレーニングに意地でついていき、かつ勉強も怠らない
俺も見習わないとと何度思ったことか
そんなあいつといれる事が俺は誇らしかったし、一緒にいて楽しかった
あいつは物知りで、難しい勉強もそつなく教えてくれる
成長するにつれて身長はめきめき伸びて元から悪かった目付きは凶悪度を増したがそれでもあいつは相変わらずで、笑う姿は年下の弟のように無邪気だった
でも「これって友達っぽいよね。」とミドルスクール入りたてに言われた時はちょっとショックだったが、その後「仲良しだとは思ってるしでも友達ってなんかおこがましいかなとか思っちゃって！」等と訳わからん事をいってきたので拳骨で許した
聞けばずっと友達が欲しかったらしい
友達なんて自然と出来そうなもんだが……
しかし俺はあいつの友達一号という事実がちょっとだけ嬉しかった

(そういやぁ今日は設備のメンテナンスで部活が休みだったな……そうだ！あいつにとびきりうまい洋梨のコンポートの売ってる店に紹介がてら寄り道しよう。)

甘いもん好きの彼奴の事だ
きっと喜ぶに違いない
顔を綻ばせながら自分の教室に帰ろうとした時だ
なんだか教室が騒がしい

「なんだ？」

「あ！ジャックあれ見てくれ！なんか教室に変なのが血塗れで倒れてるんだ。うちの制服着てるけどあれ誰だろう……俯いてるから顔がよく見えないんだ。」

「あぁ？おい血流してるってなんで見てるだけなんだ！先生は呼んだのか！？」

「いやあまりに異様だし僕らも今来たばかりで！」

「おいお前ら退け、俺が保健室まで連れていく！全く情けねぇ……おいお前！大丈夫……か……！？」

情けない事を言う男子生徒を突飛ばし野次馬をかき分け教室に入る
全く見てるだけなんてダサい真似よくできるな！
憤りながら教室に入り倒れている生徒に声をかけようとして俺は絶句した
紫色の肌
八つの手足
それはあまりに異様な姿
だがこの髪、そして端に落ちている眼鏡
俺は見覚えがあった
いや、見覚え所じゃない
こいつは……

「ラドルっ……！」

そこにいたのはボコボコにされたラドルだった

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