兄弟に愛想が尽きました。[ブラコン×薄桜鬼ssl]

41*泣き顔 ページ43

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彼女が来てから少しずつ寮や学園の雰囲気が変わりつつある。


最初はなんの興味もなく、女の子なのにこんな寮に来て可哀想や、グラヒアの子だ程度にしか見ていなかった。



まぁ今はからかい甲斐があって面白い程度だけど。



彼女が僕の分のお弁当を作ってくれていたのを分かっていながら、気づかないふりをして学校に来た。


そしたら毎時間僕の教室まで来て、残念そうな顔をして帰っていく。


何だか犬みたいで可愛いって思って僕もわざと居なかったのだけどね。



昼休みに声を掛ければ、泣きそうな顔になっちゃったからやり過ぎたかなって少しだけ反省してる。


その顔があまりにも悔しそうで逃げようとしていたから、お姫さま抱っこで中庭まで連れてきたけど、今度は膨れっ面。



｢もう、そんなに怒らないでよ？
一緒に食べようよ。｣


開いたお弁当は彩りもきれいで美味しそうだ。



『本当最悪。色んな人に見られた。
横抱きもあり得ないんだけど。』


｢この卵焼き、美味しいよ。
また作ってね。｣



睨むとまではいかないけど、不満げな顔。
観念したのかAちゃんも、お弁当を開けて食べはじめている。


中庭は教室のベランダから見える。
多くの生徒が僕らを見ているね。



別に彼女のことを好きではないけど、他の誰かと付き合われるのも何だか癪だよね。




｢美味しかったよ。｣


『当たり前でしょ。私が作っているんだから。』



いい意味では無いけど、畏まっていない素の彼女が隣にいて、僕はおかしかった。



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