12*長男から長女へ。 ページ14
雅臣side
Aを乗せて薄桜学園へと向かう。
膝の上には絵麻ちゃんのリス君が体を丸めて眠っている。
君が僕の、僕たちの代わりにAを守ってくれるんだね。
昨日の夜、右京と二人で話し合った。
弟達が絵麻ちゃんに好意を寄せているのは知っていた。
それでも僕らはAが言うように『家族』だから、本来であれば彼女に対して姉、妹として接して欲しかった。
弟達を信じすぎていたんだ。
いつかは分かってくれると。
でも好意はエスカレーターしていくだけで、絵麻ちゃんを守れなかった。
そして何よりも守らなければいけなかった大事な『朝日奈家の長女』であるAを守れていなかったんだ。
まさかAが家を出るほど、学校を変えるほど悩み嫌悪しているとは考えもつかなかった。
僕は長男として失格だ。
「A、君の気持ちに気付けなくてごめんね。
これからは絵麻ちゃんを守りながら、弟たちと話をしていくから。
それでもし…皆がわかってくれたら、また
あの家で一緒に暮らしてほしい。」
『…雅兄、絵麻ちゃんのことよろしくね。
家って男の子ばっかりだったでしょ、だからお姉さん出来て本当にうれしかったんだ。』
膝で眠るリス君を撫でながらAは笑う。
絵麻ちゃんの事だけで、一緒にまた暮らすことには頷いてくれなかったね。
話している間に薄桜学園に到着してしまった。
マンションからも通える距離なのに…行ってしまうんだね。
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モカ(プロフ) - 更新遅くてごめんなさい。早くはないけど毎日更新できるよう頑張ります。 (2016年3月8日 20時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
Natuki-03(プロフ) - 更新ありがとーございまぁーすっ!めっちゃ、楽しみにしてました! (2016年3月8日 19時) (レス) id: 9b697d02eb (このIDを非表示/違反報告)
橘朔羅 - 早く続きが読みたいです(///∇///) (2016年3月6日 13時) (レス) id: 1b9d097e9c (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - うわぁぁ続きが読みたいぃぃぃ。・゜・(ノД`)・゜・。 (2016年3月2日 21時) (レス) id: ef10c17502 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - しらたまさん» コメントありがとうございます!千鶴ちゃんがいてこその薄桜鬼、マジで可愛いですよね。頑張りますね! (2016年2月28日 15時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2016年2月27日 9時