10話 ページ11
10話
side薫
この手を離したくなかった。
この手を離せば、俺とAちゃんはもう、一緒にいることができない気がしたから。
A「…薫…！」
俺の手を離そうとするAちゃん。
薫「なんで？」
口に出た。
薫「…なんで、俺から離れようとするの？」
A「…は？」
Aちゃんの目が険しくなった。
A「…何言ってんの…？」
Aちゃんが俺の胸ぐらを掴んだ。
そのまま壁へと押し付けられる。
A「先に避けたのはそっちでしょ？！」
Aちゃんは怒った。
涙を流しながら、怒っていた。
A「私がどんな想いで…！…どんな想いでこうしたか知らないでしょ？！…何も分からないくせに、…分からないくせに！！」
Aちゃんの手が俺の頬を叩いた。
不思議と頬の痛みは感じなかった。
頬より、ずっと…別の場所が痛んだ。
A「もう、ほっといて。…ほっといてよ…！」
俺の手を振り払ってAちゃんは走って出ていった。
(先に避けたのは…俺…？)
わからない。
避けたつもりはなかった。
だけど、
薫「…あの時、説明…してないなぁ…」
あの子が悪く言われないようにするためにとった行動が、あの子と俺を引き離した。
薫「…伝わらないもんだね…人の気持ちってのは…」
言葉に出さないと…ダメなんだね。
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かお(プロフ) - めっちゃ面白かったです！薫くん〜がんばれ！笑これからも応援しています。 (2021年8月30日 23時) (
レス) id: 16a5bce890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えんぱいあ | 作成日時：2021年7月31日 14時
