【ハイキュー×暗殺教室】 音駒のマネさん。 season2。

ギャップってこういう事。 ページ18

リエーフside


あ…えっと…


俺のすぐ前には顔を全力で背ける朝篠。

右を向くと苦笑した磯貝と犬岡、左にはいつのまにか来ていた芝山。

後ろには今来たっぽい神崎さん。








何があったかっていうと…




“朝篠〜来たぞ…ってあ”

“〜♪”

空き教室にあるピアノを軽やかに弾きながら何か知らない歌を歌ってた朝篠。

よく見ると…笑ってる！

待ってこんなに可愛い笑顔なんて聞いてないよ！




あまりの巧さと可愛さに、弾き終わりと同時に拍手をしてしまった。


“スゲェ！ピアノ弾けんの！？”

しかし、その音でコッチに気が付いたらしい彼女はそのまま俺から距離を取って顔を背けた。


そして やっちゃった とばかりに磯貝達が苦笑して教室に入って来て今に至る。

(後で聞いたら、朝篠はピアノを弾く時は周りの音一切耳に入んないらしい。また、褒められると照れるんだって)








「お弁当…食べよっか」

神崎さんの一言によって皆で昼御飯を広げて食べ始める事にした。

磯貝達(さっきの2人+神崎さんと芝山)が授業の事で盛り上がっている中、俺は恐る恐る朝篠に話しかけてみる。





「あの…さ。さっきの曲なんて曲？」

怒ってるかな…と思いつつも、どうにか会話したい俺は普通過ぎる質問をする。


「…虹」

にじ？…って何の曲？

「合唱曲 虹。中2の時の合唱コンの課題曲だったの。ソロパートやってた」

ソロパートとかスゲェな！と素直に口に出せば、別にそんな凄い事じゃないし…とぶっきらぼうに応える。

「さっきのは…ソロが欠けてたけど、それで良かったの」

…どういう事なんだろう？ソロって1人なんじゃねーの？しかも歌ってたじゃん。

「この話はもう良いでしょ。ほら」



ムグッ

考え事してた俺は口に詰め込まれた“何か”を、危うく喉に詰まらせる所だった。

「ちょっと！「私、先生に呼ばれてるから」…もーいきなり何すんの！」

彼女はこちらを向かずに おいなりさん と呟いて出て行った。






…この甘み、本当においなりさんだ…。

俺の好物知っててくれたのかな…？



そうかもね と神崎さんが微笑んで教えてくれた。

朝篠の魅力はこの不意打ちの優しさにもあるんだ、と。






虹のソロパートは男女2人で歌うものだと知ったのは、また別の話。

大事な時期なんだけど。→←苦手なんだよな。

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