【ハイキュー×暗殺教室】 音駒のマネさん。 season2。

危険生物との出会い。 side another A. ページ11

走馬灯…と言ったっけ。


文字の如く、今迄の全部が眼前に現れては散って行く。



姉さんから拒絶されて泣いた日。


初めての合宿で寝そうになりながら髪を乾かされた夜。


詩織ちゃんとマネした毎日。



そして…



詩織ちゃんが私を卑屈な目で見ていた事。


…何となく気付いてはいたけれど、ね。


何でそんな顔されてんのか分からずじまいだったなぁ。



詩織ちゃんは幼い私そのものだった。


彼女はよく言った。


私は明るくて優しいと。


本当はそんな事無い。自分を守る為の演技だと分かりきっている。




こんな弱さは誰にも見せられない。



















ブニョン。





弾力のある音を立てて落下速度の上昇が止まり、落下が完全停止した…？


「何を思ってかは知りませんが…崖から飛び降りるのは感心しませんねぇ」


周囲の確認をしてすぐに見えた黄色い何か。


あろう事か、その未確認生命体(？)は言葉を発した。



ヒュン！




突風でも吹いたような空気を裂く音に一瞬目を閉じると…


「え…崖の上…？」



つい1分程前に飛び降りた崖の上に戻って来ていた。


この生命体は空を飛ぶ事も出来るらしい。



「大丈夫ですか？どこか怪我はありませんか？」

「あ、はい。…助けていただき、ありがとうございました」


そう返すと、良かったと胸を撫で下ろす所作をする黄色タコ。


「貴女は…ここの生徒ですか？見ない顔ですが…」


改めてふざけた顔でこちらを向くタコがおそらく依頼された標的なのだろう。


ぐっと握ったナイフを突き出す。


グニャっという音とか想像して目を瞑ったのだが…







「振りが甘すぎますねぇ。この位ならふ菓子を食べながらでも避けられますよ？」


文字通りふ菓子を食べながらナイフを持った手を押さえるタコの触手。


奇襲に驚く所か、むしろ余裕溢れる表情で(推測)鼻歌まで歌い始めた。


コイツ…ムカつくぞ。






「ああ！自己紹介を忘れていました。私は“殺せんせー”。3月に月を破壊した犯人…とでもいいましょうか。来年の3月には地球も破壊する予定です。この3年E組の担任をしておりますのでどうぞよろしくお願いします」


そう言って黄色タコ…もとい殺せんせーは私に触手を差し伸べてきた。


「私は…朝篠Aといいます。私立梟谷学園中学から編入して来ました。1年間お世話になります」




なるほど…と呟くタコ。



「ようこそ。3-E…いえ、“暗殺教室”へ」

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