08.宣言 ページ8
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『…あ、御幸くん、』
「…久しぶり」
呼び出したのは私。
中2の時、私が恋した御幸くんは、
高1の今、背の高い、ものすごいイケメンになっていて
『…急に呼び出してごめんね、』
「それ、薬師の制服?」
『…うん』
「へー、いいじゃん」
いいじゃん
そうやって、君はいつも
『ふっふ、もうその手には乗らないから』
「?」
『御幸くん』
まっすぐ、彼の目を見据える。
『あの時、私のことを振ってくれてありがとう』
どんなおかしいこと言ってるかなんて、
自分が一番わかってる。
『でも私…絶対、御幸くんのこと、』
「………………」
『振り向かせてみせるから』
…………言えた…!!!!
はぁ、と息を吐くと、自信満々に彼を見る。
すると、御幸くんは、私が予想するようなオドロキ顔をしてなくて
「……………ぷ、…………くはは、」
『なっなんで笑うの?!』
「ふはは……………いやー、やっと腹割って話してくれたなと思って」
『…………………』
春の風。
桜の花が舞い散る、高校1年生の春。
向き合うブレザー。
青道と、薬師。
「いーじゃん、お前。今、すげーいい顔してるよ」
『………………』
「やってみろよ」
にひっと、鳴に向ける顔で、彼は言った。
「野球より面白い女だったら、付き合ってやるよ」
『………上等』
望月A。
薬師高校1年生。
野球部マネージャー予定。
好きな人、振り向かせてみせます。
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時