49.透明 ページ49
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『なにが、どうなってるの…』
小さくつぶやいた私に、
取り残されたもう一人、一也が、私に向かって言った。
「よー望月。モテモテじゃんお前」
『え?!今のって…そういう…ことなの…?!』
「それ以外に何があるんだよ」
呆れたように一也が笑う。
そして、イタズラっぽくニヤッと笑って、
「で、お前ーーー明日は俺のこと、応援してくれるよな?」
『っえ…』
「俺のこと好きなんだろ?」
『う…………』
…………勘づいてる。
さっき鳴に私が何言われたか、わかってて、きっと一也は笑うんだ。
一也が歩き出す。
私に向かって、一歩一歩、ゆっくりと。
「俺はお前に応援して欲しいけど」
『…え?』
「お前のこと、渡したくなくなっちゃった」
さっきから、何が起こってるの?
頭がぐるぐるする。
今私は、秋大に向けて新チームでやってて、
今日は準決勝を見に来ててーーーー
「俺、お前のこと気に入ったわ。
………俺だけ見てて、望月」
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時