45.祈り ページ45
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「今日はあのイケ捕に挨拶行かねーのか?モッチー」
『まさか。一也は敵ですよ』
「一也、ねぇ…いつの間に下の名前で呼び合う関係になったか」
『ふざけるのやめてください。試合中ですよ』
「あいつの打席なら、安心して見れるんでな」
ーーー「1番サード轟くん」
雷市を1番に置いた、新オーダー。
これには、轟雷蔵監督のしたたかな策略がある。
先攻は薬師、マウンドには降谷くん。
ゴールデンルーキーの呼び声高い1年生投手。
初球、二球目をじっくり見て、
三球目、その豪快なスイングで、
雷市はツーベースヒットを放った。
続いてアッキー。
この打順にした意味は、
セットだと、降谷くんの球速が落ちるから。
しかし初回薬師は1点しか取れず、
盗塁も、一也のファインプレーで失敗。
「…やるじゃねぇかあのイケメンキャッチャー。なぁ、モッチー?」
『…私に言わないでくださいよ』
スコアを書きながら、私は必死で声を出した。
私に出来るのは、応援することと
毎日を支えること
あとは、祈ること、それだけ。
お願いします、
みんなを、監督を、甲子園にーーーーーー
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時