40.結果 ページ40
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ーーー八王子市民球場
「成宮くーん!!」
「成宮ナイスピッチ!!」
「このままいけよー!!」
黄色い声援を浴びながら、
監督よりも、キャプテンよりも、
一番前をズカズカ歩く。
「また勝手に代えられた!!
最後まで投げてればノーヒットノーランだったのに!!」
「別にいいだろ?点差はあったんだし、
監督もお前の疲労を考えてーーー」
「疲れてないし!!完封できたし!!
あーーーむかつく!!!!」
「…お前、いい加減シメるぞ」
後ろで青筋立ててた雅さんが、真剣な顔つきで言う。
「甲子園まであと三つ。力はできるだけ蓄えておいた方がいい。
負けちまったらそこでおしまいなんだぜ、鳴」
まーた怖い顔してさぁー、雅さんは。
ーーーーわかってるよ、
振り返って雅さんを見た、その時だった
「ーーー監督!!!」
走ってきたのは、府中の試合を見てきた組。
「どうした?顔色変えて」
「府中の試合どうだったー?」
「市大はーーー、
市大三高は、薬師に敗れました」
「?!!」
ーーー『甲子園に行くのは、薬師だもん』
あいつの顔が、ちらついた。
◇ ◇ ◇
「全員で見ておいてよかったな、この試合」
片岡監督が、いつもの調子で言う。
「これで対策を立てることが出来る」
その言葉に、クリス先輩も頷く。
ーーーー『そーやって余裕かましてる王者とやらが、私たちみたいなんに足下すくわれるんだよ』
おいおいマジかよ。
春のセンバツベスト4を、攻撃力で撃破。
こりゃ、とんでもないダークホースが現れたぞ、
バスの中、口元に手を当ててニヤリと笑う。
「ーーーーおもしれぇ、」
準々決勝 青道高校対薬師高校が、決定した。
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時