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☆ ☆ 番外編・轟雷市と私 ☆ ☆
いつもの河原。
御幸くんに振られてから、
すっかりこの土手に入り浸っていた私。
でも今日は、
『………あれ?』
「………………」
なんだか雷市の元気がない。
『雷市ー、どーしたの?』
「?!……………」
雷市の性格は、一言で言えば恥ずかしがり屋さん。
あの父親にしてこの子?!とも思えるけど、
豪快すぎる父親と一緒に暮らしてたと思うと、
まあ、わからなくもないかもしれない。
わたわたする雷市を『…?』と見つめていると、
ぐぅぅぅ〜〜〜と、大きな音が鳴った。
「!!!!!」
『あ、雷市、もしかしてーーー』
口を開けたまま、かああと雷市が赤くなる。
『お腹空いてるの?』
口をパクパクする雷市。
…………どうしよう、可愛く見えてきた。
弟にしたい。
『雷市!なんか食べるもの買ってあげるよ!』
「?!」
『何食べたい?』
「…………でもモッチー、」
『いいっていいって!こんくらい!』
「お金、あるの?」
『……………』
中学生の私。黙って財布を開けると、
100円玉が1枚。
『………………』
「…バナナ!バナナ一緒に買いに行こう!」
『…バナナでいいの?』
「俺安い店知ってる!行こう!」
そのあと、破格の安さで買えたバナナは、
今まで食べたバナナの中で、一番おいしかった。
ちゃんちゃん。
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雷蔵「オチねーじゃねーか」
『それな』
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時