01.決意 ページ1
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「すげーメンツが揃ってんなぁー」
「そ、あとは一也。お前が来れば俺の理想のチームができる」
私の隣でにひっと笑ったのは、
2年後、言葉通り稲城実業高校のエースになってみせる私の幼なじみ、成宮鳴。
「当然この誘いにお前も乗るだろ?御幸一也」
その場にいる全員が一也に注目する。
でも彼は、首元に手を当ててふっと笑って。
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「俺、ずっと前から青道に誘われてんだよね」
鳴の誘いをきっぱりと断り、この強豪シニアのメンバーの前で、堂々とライバル宣言して見せた。
そんなにすごいやつらが、稲城実業に集まるなら、
「だったら、余計戦ってみたくなる」
御幸一也のこういう所は、2年たっても変わってない。
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「ふられちゃったー」
一也の去った後、おどけてへらぁと俺は笑う。
隣には女の子。
この場所に似つかわしくない、
俺に呼ばれた、たった1人の女の子。
「一也は青道に行くってよー?
ほんとにいーの?A」
『当然でしょ』
小さい頃からいつも一緒。
どんな女よりも、俺が気にして、
隣に置いていた女の子。
『私は、薬師高校に行くの』
ぐっと拳を握りしめて、Aは満足げにへらりと笑った。
『一也のこと追っかけてばっかの女は、もうやめるんだ』
俺の気持ちに気づかない、一也に恋する女の子。
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時