【◇】again.4 (ページ44)

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172.気後ページ44

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Aが何考えてんのかわかんねえ。

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ばっちりめかしこんだ、…ってほどでもなく、ほどほどにメイクを施して外へ。

ちょうど歩いてきていた相変わらずお洒落な鳴のとこまで小走りで行って、少しわくわくと気持ちをふくらませながら聞く。

『どこいくの？』

「とりあえず電車乗るよ」

『了解』

かばんを肩にかけてむふふと笑うと、じっと鳴の視線を感じる。

隣の彼の顔を見て『何？』と問うと、

「…なんでもねーよ」

『…ふうん』

これ以上の詮索もできなくて、よくわからないまま前を向いた。

結局この時のことはよくわからないまま、
私はその日1日を過ごすことになる。

パーティに連れ回され、たくさんのプロ野球選手に挨拶し、誕生日を祝われた。

大きなケーキに21本のロウソク。

それを吹き消すとわーっと大きな拍手が巻き起こり、

私の隣には、ずっと手をつないだままの鳴がいた。

こんなに素敵な誕生日は、他にないってくらいきらびやかな時間だった。

あまりにも平凡な私が、気後れするくらいには。

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