133.察し ページ4
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「褒めてよAちゃん♡」
そう言った鳴の頭を、私はぐわしと掴んでにたーと笑った。
『お、め、で、と、う♡』
「…どーも♡」
にひっと満足げに笑った鳴に私も笑う。
『でもー次はー絶対にうちが勝つかなー』
「あっはっは、無理じゃない?」
『大コケしろ』
「ひっでぇ。幼なじみにかける言葉とは思えねー」
鳴と向き合って2人でケラケラ笑った。
なんだか、不思議。
中学生の時は、いつも一緒に帰って、いつも隣で、
おんなじだった私たち。
高校で初めて別々に。
そして、その高校の一員にとっくのとうになってて、
私たちは、もう立派に何年も敵やってる。
「…Aさぁ、」
それでも、
「一也となんかあったっしょ?」
幼なじみは幼なじみなんだなぁって。
『…わかっちゃう?』
「とーぜん。幼なじみ舐めんな、笑い方がいつもと違う」
伊達に家が近所じゃないよなぁって。
『うん、あったよ、やばいこと』
「仕方ねぇから聞いてやるよ。言え。簡潔に」
鳴の顔からは、「どーせ痴話喧嘩の類だろ」って表情がありありと浮かんでる。
鳴、ごめん
『一也に、振られたの、私』
「…は?」
笑ったまま鳴が私を見る。
もう一度涙をこぼす私の顔を、鳴はぽかんと見つめると、
もう一度、「…は?」と間抜けな声をこぼした。
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2016年2月16日 17時