151.重症 ページ22
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「…は？成宮と付き合った？」
『…うん』
照れ照れとはにかみながらそう言った好きな女に、
俺はいつも通り半笑いを浮かべたまま固まった。
「…マジ？」
『…うん。マジだよ』
そう、こいつ、望月A。
俺、真田の好きな女の子。
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ーー「俺としては、真田と望月は相性バッチリだと思うけど」
俺を見てそう言った平畠に、この野郎、そう思いながらなんとか表情を動かさずやり過ごした。
ふざけたように「じゃあいっそのこと付き合う？」
そう言ったら、『彼女いるでしょーが！』と怒ったように言うそいつ。
いや、それが、
振られたんだよねぇ、俺。
「マジかよ、そろそろ望月にパーティーやってやろうと思ってたのに」
『パーティ？』
「望月が同じ男に二回振られた記念………いって！」
『真田キライ』
俺も相当重症。
むっすり怒り出すこいつが、可愛く見えるとか。
『…鳴がね、私は身を削る恋愛ばっかしてるって、一緒に幸せになろうって言ってくれたの』
ほわんと頬を染めながら、望月が笑う。
『私、感動しちゃったんだ』
はにかんでそう言うと、誰かに「望月先輩」と呼ばれてその場を離れていく。
残された俺はロッカーを閉めると、誰にも聞こえないようにふーと息を吐いた。
『あ！真田！』
「…お、う。なに？」
『…その……私、尻軽すぎないかな、
こんなにすぐ、新しい彼氏作って…』
俺も人がいいよな
「いいんじゃない？」
『…ほんと？！』
「俺は、いいと思うよ。そんな心配すんなって」
こうやって、余裕ぶって笑ってしまう自分がいる。
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年2月16日 17時
