Diary9 私ばかりドキドキさせられるのは不公平です。 ページ10
やって来ました日曜日。本日の天気は晴れ、降水確率０％。空は雲一つない快晴です。
駅前広場のオブジェの前で私は黛さんを待っていた。キャメルのダッフルコートに灰色と青のチェックのスカート(もちろんタイツ)と焦げ茶のショートブーツ。髪の毛も少しいじって編み込んでから横で一つ結びにした。我ながら気合はいりすぎだろうと思う。
「悪い、遅くなった。……似合ってる、神崎」
とんとんと肩を叩かれて振り返るとそこには紺のテーラードジャケットに灰色のパーカー、白のカットソーにデニムという出で立ちの黛さんが居た。
珍しくふわりと笑う黛さんに心臓が跳ねる。落ち着け心臓！
「……っ！別に待ってないですよ？それより行きましょ黛さん！」
「はいはい。でも後三十分あるだろ？急いで転ぶなよ」
照れを悟られないように駆け出す。タタッと石畳とブーツのヒールが擦れて音を立てた。
駅ビルの中に入ると暖房の暖かい風が頬を撫でる。この駅ビルの六階に書店はあるのだ。エレベーターに乗って六階を目指す。
チン、と音を立ててエレベーターの扉が開く。人がドっと降り、同じくらい人が乗った。
「……大丈夫か、神崎？」
人の勢いに押されて黛さんがこちらに近づいてくる。私を壁際に囲うようにして背中で圧力を全て受けていた。
「大丈夫ですけど……黛さんの方が大変なんじゃないですか？」
「平気だっつーの。一応はバスケ部三年間入ってた訳だしな。それに、神崎は女子だろうが。流石に一つ下の後輩守れなくてどうすんだよ」
ふ、と黛さんが笑う。ああ、どうしようもなく心臓が高鳴っているのが分かる。最近ずっと黛さんにドキドキさせられっぱなしだ。
「……お、ついたな。ほら行くぞ神崎」
黛さんがこちらに手を伸ばしてくる。その手を掴んで歩き出した。
Diary10 親戚ってやけに面倒くさい人いるよね。→←Diary8 野次馬根性ほど面倒くさいものは無い。
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黛夕那(#・∀・#)(プロフ) - あの、初めの千尋saidで神崎葉月ってでたんですが… (2019年9月1日 12時) (
レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
ゲスでゲス - かぁいい作品をありがとうございました・・・ (2018年8月26日 9時) (レス) id: ed4900357a (このIDを非表示/違反報告)
カコ - すごく可愛かった。キュンとした。素敵な作品をありがとう。 (2018年7月22日 21時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
マリア - 続読めたいです (2017年9月26日 10時) (レス) id: 8569ec9184 (このIDを非表示/違反報告)
葉隠叶芽(プロフ) - 飛鳥さん» ありがとうございます！なるべく早く書き上げられるようにしますので楽しみに待っててください！ (2017年7月7日 23時) (レス) id: 0edaa43e99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉隠叶芽 | 作成日時：2017年3月23日 20時
