02 その男、頂点にて ページ4
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ボールが生きもののように男の肩や胸、足の先で跳ねている。吸い付いて離れないそれはまるで魔法のようだった。それだというのにボールが躍動するのとは反対に、画面の中の彼は額に汗ひとつ滲ませず淡々とボールをその足から放っている。
─────格が、違う。
そう思うには充分だった。そうして長いような短いような地獄の136秒が終わる。その終了と共に狙いを定められていたのかはたまた適当か、とにかく選ばれた1人にボールがぶち当たり画面の中の彼もフィニッシュを決めた。
脱落するのは1人のはずなのにそこにいた全員が絶望したような表情で頽れているその状況があまりにも異質で、これが同じ時間帯に別の場所で起こっていたことだとは思えなかった。
『んで絵心さーーん、ネタばらしまだ？……つっても俺が1人でPAで暴れてたようなもんか、これ』
息ひとつ乱さずひとりごちた男の言葉で、絵心が語ったこの入寮テストの仕組みを全て理解した上でプレーしていたということが分かる。ひらひらとカメラに向かって手を振る姿は、先程の荒々しくも正確なプレーとは打って変わって年相応に見えた。
そこで映像は切れ、モニターは再び絵心を映し出す。
「い、今のは……」
「あはは！楽しそー」
「なんだ、あれ」
『先程のチームは脱落した1名の他10名がこの先へ進むのを辞退するという形になった。…見たか、あの136秒の中で人の心が折れる瞬間を』
「10人が辞退…！？それじゃああのチームの生き残りは……」
そこで絵心が動画を流す前に折れるなと言った意味がようやく分かる。あの短時間の圧倒的なプレーで容易く人の
『生き残った1人の名は────天使A。今もっともこの
彼らの胸に湧いたのは、恐怖と、それから強い対抗心。此奴に勝ちたい。勝てば自分が頂点だと、潔は天使の名前を何度も心の中で繰り返す。
いずれ倒したい今の頂点。目標が高ければ高いほど燃える性で良かったと今ほど思ったことはない。
───────俺がこの監獄で一番長くサッカーをする。
畏怖の感情は持ち合わせつつも決して折れていない瞳をする
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼します。私男主の愛され大好物なので嬉しいです！ブルロのキャラ全員推しなので嬉しいです！ビーコンレタスも好きです()更新頑張ってください！ (2023年5月5日 17時) (
レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - めっちゃ好きです！続きが楽しみです\(//∇//)\ (2023年2月2日 16時) (レス) @page3 id: 94c427d0c3 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - この時点で天使くんの設定が練りに練られてて最高です😭😭更新楽しみにしております…！！ (2023年2月1日 22時) (レス) id: aa78decd84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：國枝 | 作成日時：2023年2月1日 18時
