継ぐ者たちの邂逅 ページ43
この文章が表すことはひとつ。
宗は知っているのだ。Aの探し物の正体を。十数年間夢の中で自分を守ってくれた“彼”を。
しかもそれがESにいることを！
「おーい、星見さん？戻っておいでー」
『はっ？！すみませんっ！』
手紙とヨハンナを鞄に仕舞い、書類を取り出していつもの仕事に取り掛かる。
コズプロにいられる期間はあと数日。“彼”の正体かもしれない人を探し当てれるか？いや、それより、
『(ESにいるってだけでどこの事務所の社員さんかも、そもそもどこかの事務所の専属かもすらわかってない！)』
もうここまで来たら意地でも見つけ出してやろうという気概だった。
だって十数年も見てきた夢の登場人物が実在しているという確証をやっと得たのだ。意地でも会いたかった。会ってお礼が言いたいし、聞きたいことも知りたいこともたくさんある。
でもようやく与えられたヒントはアバウトすぎて何もわからないときた。
ここまで来ると自分の不甲斐なさに腹が立ってくる。
『(うううぅぅ〜、モヤモヤする！……こんな時はあそこ、行ってみるかぁ……)』
＊
「つ、疲れた……！」
その日、ちょうど夕方と夜の狭間の時間。
ミーティングを終えた漣ジュンは誰に言うわけでもなくそう呟いた。
だって最近肉体的というより精神的な疲労が酷い。それもこれも最近になってやけに増えた日和の無茶ぶりのせいである。
「こんなときはやっぱ体動かしてストレス発散するのが一番っすよねぇ……ん？」
エレベーターを出たジュンはトレーニングルームの扉が開きっぱなしになっていることに気がついた。
この時間にいるとしたら鉄虎だが、彼は扉を開けたままにするようなタイプではないはずだ。
「(じゃあ誰だ？こんな時間に珍しい……)」
好奇心のままに中を覗き込み……ジュンは思わず「あっ」と声をあげそうになった。
中にいたのは驚くほど綺麗な女の子だった。
Ra*bitsやあんずの可愛らしさを野原に咲く花に例えるなら、彼女のは同じ花でも洒落たガラスの花瓶に飾られた造花のそれである。
ナギ先輩のような、人を惹き付けるタイプの人間だ、とジュンは思った。
その体躯を見る限り恐らくアイドルではなくモデルだろう。
どこの事務所だろうか。同事務所でこれほどの存在感とオーラを持つ存在を知らないはずがないから、ニューディあたりの新人かもしれない。
『うん？誰です？』
「！」
冬の空を切り取ったみたいなひとみと目が合った。
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紅鮭@くじら(プロフ) - 甘風さん» 星見のキャラを気に入っていただけてすっごく嬉しいです〜！ありがとうございます(..›ᴗ‹..) 更新がんばります！！ (2022年12月9日 16時) (
レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@くじら(プロフ) - みるタピさん» コメントありがとうございます！そろそろ更新速度戻す予定なのでこれからもよろしくお願いします！(⑉• •⑉) (2022年12月9日 16時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
甘風 - とっても面白くて好きです！更新頑張ってください！星見ちゃんのキャラが良い...！ (2022年12月5日 23時) (レス) @page33 id: e3065dc72d (このIDを非表示/違反報告)
みるタピ(プロフ) - とても楽しんで読ませていただいています！テスト大変だと思いますが頑張ってください！ (2022年12月5日 18時) (レス) @page33 id: c5e7b71543 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@くじら(プロフ) - 立花さん» 立花さん、コメントありがとうございます！！正直ギャグには全然自信がないのでそう言っていただけて嬉しいです！笑 更新がんばりますね〜！！ (2022年9月30日 21時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
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