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気まずそうにこちらを見るAに「行ってきなよ」と背中を押す。
遠ざかっていく背中を見送りながらも、ゆうたはへなへなと地面に座り込んだ。



「おーい、アニキ?さっき大きい声が聞こえたんだけど……って何何どうしたの!?」
「アニキ……じゃなかった、ゆうたくん」


“兄”が座り込んでいるのを体調不良か何かだと捉えたらしく、抱きついてこようとする“弟”を押し退けてゆうたは立ち上がる。


「なんでもないよ。それよりそろそろ衣装元に戻さない?」
「え、まぁ別にいいけど……?」


まだ何か聞きたげなひなたの視線から逃げるように顔を逸らしてから、打ち合わせ中らしきAを盗み見る。



……これはただの勘でしかないけれど、きっと彼女の出自は自分が想定していたものとはちょっと違うのだろう。



「(多分、どちらかというと俺たち側だ。搾取され続けた人だ……だからといって態度を改めようとかは思わないけど)」


そこまで考えて、自分が彼女の苗字しか知らないことを思い出す。

自分は彼女に対してそう興味がある訳でもない。親近感が湧いた、というのも違う。
でも、次会ったとき名前ぐらい聞いてみようかな、とゆうたは心の中で呟いた。









『♪〜』


一方、用事を済ませたAは鼻歌──恐らく本人的には鼻歌のつもりなのだろうが、音程がちぐはぐすぎて呻き声と化している──を口ずさみながら資料室へ向かう。

すれ違う職員達はその鼻歌(?)を聞くや否や皆顔をこれでもかというほど歪めていたが、それにも気づかずAは資料室の扉を開け────


「!」
『うぉっ、やべ』


中にいた“その人”を見た瞬間、およそ華の女子高生から発せられたとは思えない漢らしい声と共に秒でその扉を閉めた。


『(あっぶな!鉢合わせるところだった!)』


ドッドッと喧しく鳴る心臓を押さえ、Aは心の中で叫ぶ。

星見Aは信じられないほど記憶力が儚く、人の顔も覚えられない。が、その人は、その人だけはきっと一生忘れないだろう。

残念ながらそれは好意故ではない。
その人は学校でも人と関わることがあまりないAにとって、数少ない“苦手な人”だった。


『あの資料と同じやつ、情報部にあるかな〜……?』


嫌なものを見た記憶を払うように大声で独り言を呟き、その場を去ろうとするAのカーディガンの裾を扉から出てきた細腕が掴む。


『ヒエッ』
「なぁ、何がやばいん?」

七つの子は誰が殺した?→←その狂気を知っている



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紅鮭@くじら(プロフ) - 甘風さん» 星見のキャラを気に入っていただけてすっごく嬉しいです〜!ありがとうございます(..›ᴗ‹..) 更新がんばります!! (2022年12月9日 16時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@くじら(プロフ) - みるタピさん» コメントありがとうございます!そろそろ更新速度戻す予定なのでこれからもよろしくお願いします!(⑉• •⑉) (2022年12月9日 16時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
甘風 - とっても面白くて好きです!更新頑張ってください!星見ちゃんのキャラが良い...! (2022年12月5日 23時) (レス) @page33 id: e3065dc72d (このIDを非表示/違反報告)
みるタピ(プロフ) - とても楽しんで読ませていただいています!テスト大変だと思いますが頑張ってください! (2022年12月5日 18時) (レス) @page33 id: c5e7b71543 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@くじら(プロフ) - 立花さん» 立花さん、コメントありがとうございます!!正直ギャグには全然自信がないのでそう言っていただけて嬉しいです!笑 更新がんばりますね〜!! (2022年9月30日 21時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鮭 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年8月28日 12時

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