元ヴァンパイアの妹２【おそ松さん】

おいで ページ4

チョロ松side


一松がこの場に堪えきれなくてか足早にこの場からいなくなった


多分２階のベランダにでもいったんだろう


暫くしてトド松も微かに涙をこぼしながら２階に行った


暫くしてトド松の泣き声がしたまで聞こえてきた


これも２階のベランダから


……一松が面倒を見てあげてるのかな


一松、ああ見えて弟には優しいから


トド松が素直に一松の元で泣くだなんて珍しい



僕はそんな事を思いながら十四松を見た



おそ松兄さんとカラ松は、記憶が一切ないAを連れて、居間に行った


通りすがり際、カラ松が僕に


『十四松を頼む』


と言ってきた


長男が混乱している今、一番しっかりしているのはカラ松だな


イタくなかったらカッコいい自慢の兄さんなのに…


なんて変な事を考えながら十四松に近づく


チョロ松「………十四松、大丈夫？」


僕が声をかけて十四松はうつむいていた顔をようやくあげた


十四松のいつも開いている口はとざされ、目には大粒の涙が浮かんでいた


十四松はそれを余った袖でゴシゴシ拭いてニッコリと笑顔を"作った"


僕は十四松が十四松を殺しているんじゃないかと思い、こらえきれなくなった


チョロ松「十四松、おいで」


僕がそう言うと、十四松は暫く悩んだ後、タタタッと走って来てギューっと僕を抱きしめた


僕が抱きしめ返すと、十四松はシクシクと静かに泣きだした。


僕はただその黄色い背中をゆっくりと優しく叩いた


チョロ松「大丈夫、Aは必ず思い出すよ」

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